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ギフト〜なな色の羽

私の中から産まれたがった言葉やお話を書いています

 以前、テレビで、奈良県の吉野山の桜の映像を見たことがあった。

 あまりの美しさに感動し、心を揺さぶられた。

 私の頭の中に描いていた桜と、それとはまったく違っていた。

 様々なピンク色が見えたのだ。

 私の感覚では、とうてい造り上げられない配色に感動した。

 私は、手帳にその思いを書きつけずにいられなかった。


 出会いを果たすたび、同じようなことが起こる。

 感動が起こると、それは次第に膨らんでいき、私の身体に、収まりきらなくなってしまうのだ。

 私は、その時々に、できる方法で、それを外へと生み出すことにする。

 言葉や絵は、私から生まれた子供達だ。

 実際にも、二人の子を産んだ。

 子供達は、ゆっくり、または、ものすごい早さで、私に向って、生まれるよ、とサインを送ってくる。

 陣痛の、周期的な激しい痛みがやってくる。

 私の身体は、生むためのプロセスを踏んで行く。

 同じように、生まれてくる命も、その方法を自然と知っているのだ。

 私は、心を決めて、身体に力をこめればいいのだ。

 産声があがる。

 その声に、私はホッと息をつき、生まれたての命を、胸に乗せ、見つめる。

 ひとつのエネルギーが、私のフィルターを通って、形を成し、命のリズムを持った。


 たくさんの人々が、表現することを楽しんでいる。

 心惹かれるエネルギー同志が結びつき、次々と繋がり、また、新しい命が生まれていく。


 私は、吉野山の桜に心を動かされた。

 自分とはまったく違う姿をしたもののなかに、生命のリズムを感じとった。

 木の内側から、外側へと発する、命の表現に魅せられたのだ。

 心が震えるような感動は、感情を一点へと集中させる。

 そこで生まれたエネルギーが、また、表現へと繋がっていく。