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ギフト〜なな色の羽

私の中から産まれたがった言葉やお話を書いています

 仙台は、今、緑で溢れている。

 定禅寺通りのケヤキの樹々は、空に向かって、高く枝を延ばし、緑の葉をいっぱいに広げている。

 この通りを歩く時には日傘は必要ない。

 樹々が、日中の強い陽射しから守ってくれる。

 通りの中央分離帯は、遊歩道になっていて、独特なポーズをとる美女のブロンズ像がたっている。

 週末には、ここでチャリティコンサートが開かれることもある。

 ケヤキ並木のトンネルで聴く、ライブ演奏は格別だ。

 観客は音楽に合わせて踊ったり、ゆったりとコーヒーを飲んだりしながら、楽しんでいる。

 年配の女性の言葉が、すっと耳に入ってきた。

 定禅寺通りが大好き、と。


 こちらにきてからは、季節ごと、この通りの姿を眺めてきた。

 凍えるような冬から、春へ、そして、夏から秋へ。

 二度目の冬を越し、また、春へと生まれ変わった。

 ケヤキの樹々は、陽射しの暖かさに体を緩め、いっせいに芽吹いた。

 光を受けて輝く若葉、春先の雨に濡れる樹々の姿。

 硬い樹の肌に触れると、厳しさとも感じる程の力強さが、指先を通して伝わってくる。

 大地に、しっかりと根を張り、揺るぎなく立ち続ける。

 この樹々に囲まれていると、私の呼吸はゆったりと深くなっていくのだ。


 来週末には、『仙台・青葉まつり』が開かれる。

 通りは開放され、武者行列や、すずめ踊りの人々が練り歩く。

 たくさんの人々の熱気や歓声で溢れ、華やかに盛り上がる。

 ケヤキの樹々も、生き生きとした姿で、私達を迎えてくれるだろう。