台風の影響もあり、海岸には荒い波が打ち寄せていた。
久々の海だった。
潮風。
海の匂いがする。
海水は冷たかったが、子供達を追いかけ、肩まで浸かった。
沖の方から、次々と波が立ち上がっては、そびえ立ち、私の身体を打ちつけ、足元をさらう。
波に揉まれ翻弄されて、しょっぱい海水をたくさん飲んでしまった。
ようやく立ち上がった途端、立て続けにきた波にふたたび身体を打たれた。
この絶え間ない、襲いかかるようなエネルギーは、どこからやってくるのだろう。
身体が波に弾かれても、このエネルギーは、私の身体を通りぬけて、貫いていくように感じる。
波にはリズムがある。
揺らぎも。
私の胸の鼓動のリズムも同じ。
揺らいでいる。
調和と不調和とが混ざり合うのが、心地よい。
私も自然の一部なのだ。
海から帰り、子供達がシャワーを浴びている間、私は叔父と話をした。
「おじさんがはじめて君に会った時は、小学生だったな。
みんなとこうして出会えるなんて、これほどの奇跡はないよ。」
私はハッとした。
私にとって、奇跡とは、そんな風に愛に基づくものだろうか。
大切なことを忘れてしまっていたのだ。
夜になり、庭先で子供達が花火をはじめた。
私は夜空を見上げ、無数の星々が放つ光を辿った。
身体に心がピタリと、はまった感覚があった。
何かを探し続けなくていい。
知識、特別な技術や能力を求めることも、それほど必死になるようなことではなかったかもしれない。
外側に探すから、次また次と追い続けてしまうのだ。
私は自分の内側にある命を感じてみる。
そして、出逢った人たちを想う。
私の胸は、感動でいっぱいになった。
奇跡はここに、ある。