ギフト〜なな色の羽 -37ページ目

ギフト〜なな色の羽

私の中から産まれたがった言葉やお話を書いています

明け方の空。

空と海との境目から、朝日がさす。

紺色の空に、オレンジやマゼンダの光がじんわり溶けだして、誕生色が広がっていく。

空が明るさを増すにつれ、暗い雲の輪郭がくっきりと浮かび上がる。

そして、東南の空には、明けの明星が輝いている。

この星は、金星。

愛の星、ヴィーナスと呼ばれる。

光と闇とが反転する、コントラストが極まる間に姿を見せた。

明星はやがて朝日が昇るにつれて、光の中に姿を隠してしまう。


命は生まれ、そして、いつか消えていく。


命の瀬戸際、私を支えてくれるのは、おそらくは愛、または愛の記憶かもしれないと、感じている。

眠りという、死を迎える時を愛で終らせ、目覚めというよみがえりを果たす時を、また、愛で始めるのだ。


一夜が明け、新しい朝がやってくる。


凍える真冬の朝、明星は、より、いっそう眩しい姿に見える。