命が循環するのなら、あの桜の樹々もわたしの命も、同じもの。
桜の花の息吹をわたしは吸い込む。
花びらの一枚、一枚が、今まで経験してきた事のひとつひとつのように思える。
春を迎えるたび、湧き上がる感覚。
境目を越える時の期待と不安。
揺れる心。
薄いピンク色の花びらが、春風に吹かれ、羽根のようにヒラヒラと揺れ落ちていく。
花が終わった今、華やかさは消えた。
うつろいゆくものを手放して、目にうつるのは幹や枝ぶり。
本来の立ち姿。
その芯を感じる。
芯とは真。
外側が揺れても、真は揺れない。
灼熱の陽を受けて、針のような雨を受けて、ずっといのちを繋いできた。
桜の樹の根や幹は、とても強い。
強いからこそ、咲く花はとても優しい。
わたしは、揺れる心を桜に重ねる。
そして、真の強さを重ね、見ている。