ギフト〜なな色の羽 -26ページ目

ギフト〜なな色の羽

私の中から産まれたがった言葉やお話を書いています

環天頂アーク。

逆さ虹のことだ。

梅雨の頃に一度だけ見たことがある。


緑がいっぱい公園に、子供達を連れて行った時のことだった。

私は、話しかける人もなく、ふと空を見上げた。

空の真上、虹を見つけた。


たくさんの緑に囲まれ、ぽっかりあいた空に、逆さにかかる虹があった。

気象の知識の薄い私は、自分の目を疑った。

何度確認して見ても、その虹は逆さだった。

身体を折り曲げ、自分が逆さになった状態で虹を見た。

すうっと空に吸い込まれて行きそうで、重力が頭にズンとかかってきた。

ほんの一瞬、今いるここが天頂なのではないかと思った。

私は、虹をはるか上空から見降ろしている、そんなふうに思ったのを覚えている。


上下逆さまになると、脳はパニックする。

思い込みが打ち砕かれるため、危機感を感じるのだ。

見る方向を変えると、物事はまるで逆さに映りこむ。

この小さな事柄は、沢山のことに当てはまるようだ。


現象にたいして、それぞれの立ち位置で意味づけをする。

視点により、反転する。


私も苦しいこと感じることは、基本、逃げたいと思う。

でも逃げられない場合も多くある。

他者や環境など、外側の条件を否定しているようで、最終的に自分を責める場合がほとんどだったように思う。

そんな風なことがたくさんあった。

それでも今年は、自分のダメさをさらに否定するのでなく、乗り越えるのではなく、ようやくそれらを許し受け入れ、自分自身を抱きしめることができた年だった。

そして、気がついた。

私は自分の良ささえ、許し認めていなかった。

片方を否定すると、やはりもう片方も行き場をなくすのだ。

エネルギーの流れがようやく環状となり、流れ始めた気がする。

良さもダメさも認めていれば、時に、心は揺れるが、また中心へと戻っていくだろう。


私の良さとは?

それは、本当のところ、たくさんの先祖から受け継がれて、磨かれ、引き受け継いだ宝物。

では、ダメなところは。

それさえも、引き継ぎ、自分でダメというレッテルを貼り付けてしまったものなのだろう。

私は、亡くなった者たちからの意識や肉体の特徴を、取り混ぜこんだ意識と肉体のかたまり。

自分だと思っているのは、本当に自分だけのものでないようなのだ。


反転する世界のなかで、一つ一つを見つめてみる。

それらは、あのアークのように現れ、消えて、私を混乱させる。

そして、真実へと目を開かせようとするのだ。