少しは上達して、負けないようにしようか、こう考えて六段の手筋、日本棋院発行、を買いました。はじめての碁の勉強です。それまでは、碁は遊びであるから、そこで努力する必要はないと言っていたのです。読み初めると考え方が変わって行きました。一口でいうと、これからは真面目に打つべきであるということです。やがて定石、死活を揃え、三段、初段、七段用と十五冊位を購入しました。受験勉強のやり方でといていきます。好奇心はとどまるところを知らず、玄玄碁経、官子譜等、囲碁の古典も買い込み、勉強しました。こうしているうちに上達したのでしょうか、鎌倉の対慶応戦に東大側から主将で出て全勝し、東大内部でも最高位の立場で全勝優勝したことがあります。
このような経験のなかで、ひとの伸び率は私ほどではない、どこが違うのかとかんがえたとき、彼等には囲碁の哲学的部分が足りないと思うようになりました。