小学校高学年になって、「お友だちなんていらない」そんなことを言うお子さんはいませんか?お母さんは「どうしちゃったんだろう?」心配になりますよね。でもお子さんのその発言は本心じゃないんです!
目次
1.高学年になると起こる
これまでにない変化!
2.「お友だちなんていらない!」発言
の裏にある本当の気持ち
3.お友だち関係を改善する
おうちサポート
1.高学年になると起こるこれまでにない変化!
今までトラブルを起こしつつも、楽しそうに学校に通っていたのに、高学年になるにつれ、「お友だちなんていらない」「お友だちなんて嫌い!」そんなことを言い始めるお子さんはいませんか?
お母さんなら、「何かトラブルでもあったのかな?」と心配になると思います。ですが、高学年になるとなかなか学校のことを詳しくは話してくれませんし、お家での親子関係もこれまでとは違っていたりします。
学校からトラブルの報告があっても、本人に聞くと話が微妙に違っていたり、お家の方は状況がつかめず対応に困ると思います。
それもそのはずなんです。高学年になってくると、だんだんと気の合うお友だちとグループができてきます。関係は複雑化してきて、より高度なコミュニケーション能力が必要とされます。
そうすると、「空気の読めない」発達凸凹キッズはなかなか仲間に入れないということが起きてきます。
なぜなら、発達凸凹キッズは、衝動性からつい余計なことを言ってしまったり、手が出てしまったり、自分の好きなことばかりを話してしまったりしがちです。それは特性からくるものなのですが、本人からすると「自分が悪い」「お友だちと仲良くしたいのに、誰も相手にしてくれない」という状況に思えてしまうんです。
本当は仲良くしたいのにできない、そんな積み重ねが失敗体験として蓄積され、やがて自分からお友だちと関わろうとしなくなってきます。
2.「お友だちなんていらない!」発言の裏にある本当の気持ち
それが、「お友だちなんて嫌い!いらない!」発言になってくる本当の理由です。
なぜ自分だけうまくできないのか、お友だちが欲しいのに上手くいかないことでこれ以上傷つきたくない気持ちがそんな発言をさせているのです。
本人は強がって言っていても、実は「寂しさ」や「人と同じようにできない劣等感」を抱えています。
学校での孤独感は半端ないものでしょうし、本当につらいものだと思います。
ですので、本当はサポートしてあげて、お友だちと仲良くなれるように発達を促してあげるのがいいんです!
でも、学校についていけないし、そもそも何が問題なのか分からない。そう思っているお母さんはいませんか?
大丈夫です!お友だちとのコミュニケーションの練習をお家でできるんです!
3.お友だち関係を改善するおうちサポート!
まずはコミュニケーションにおいて基本になるのは、身近な人との1:1の会話です。ですので、お家での会話で成功体験を積んであげてください。
①自己肯定感を回復
発達凸凹キッズは高学年になると、これまでの失敗体験から親子関係や学校での人間関係が悪くなっていることもありますから、まずはお家で自己肯定感を回復します。
お子さんのありのままの姿をほめて、言葉にして伝えましょう。会話は最初が肝心!ゆっくりと笑顔で優しく話しかけると、だんだんと聞く耳をもってくれます。
「明日の準備ができたね」
「お風呂に入ったね」
そんな当たり前のことを認めてあげることが自己肯定感につながります。ですので、本当にありのままをほめるやり方でお家で声かけをしましょう。
②1:1の会話の練習
スムーズにお子さんと会話ができるようになったら、次は1:1の会話です。お子さんとお話しながら、できるだけストレートに言葉を伝える練習をしましょう。遠回しな表現や「~しないでね」などの否定的な表現は脳に届きにくいので、直接的な言い方の方が練習になります。
例えば、「そこは走らないでね」というよりも「ここは歩こうね」の方が伝わります。
発達凸凹のあるお子さんは、遠回しな表現や、冗談などが通じにくかったりするのですが、社会にでるとこういった表現を使う場面にも遭遇します。ですが、まずはストレートな会話の仕方を覚えてから、そのあとは実際のコミュニケーションの場面で少しずつ覚えていくのがいいです。
まずはストレートな表現で成功体験を積みましょう。
③空気を読む練習
それができるようになったら、「空気を読む練習」です。人の表情を読み取ったり、その場の雰囲気を感じ取るには目の力や目で見た情報を理解する力が必要となってきます。
まずは、お母さんとの会話のなかで「感情をあらわす言葉」と「表情」をセットで伝えるようにしてください。
「今日はお誕生日会でとっても楽しかった」とうれしそうな表情で言う。
「今日はたくさん歩いたから、とっても疲れたわ。」と疲れた表情で言うなどです。
こうしてコミュニケーションをとってみると、だんだんと言葉と表情から、感情を読み取れるようになってきます。その情報を得ることで成功体験になると、次からもそうするように自然と脳が働きます。
こうなったら、あとはお友だちとの会話で実践です。最初はうまくいかないでしょうから、実践してみて上手くいかなかったことは相談してくるはずです。そうしたら、共感しつつ、どうするか一緒に対策を練ることができます。
親子関係が改善していると、なんでも相談してくれるようになり、壁が訪れた際にも一緒に考えてサポートできるので、お子さんは行動しながらどんどんその能力を伸ばすことができるのです。
「お友だちなんかいらない!」そんなお子さんのコミュニケーション能力をお家で伸ばしてみませんか?
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最後までお読みくださりありがとうございました。
発達科学コミュニケーション
大下真世