他学部との共通講座で「結婚学」という講座があった。必修科目ではなかったが,学部,そして男女にかかわらずほとんどの学生が選択していたようであった。

   デートから結婚,離婚,出産,育児などの問題を学習するものであった。結婚学の参考書に「離婚しない一番の方法は結婚しないことだ」と書いてあった。初めはアメリカ人ならではの冗談だと思ったが,当時でも3組の結婚に1組が離婚していたアメリカならではのまじめな結論であったようである。次に,離婚につながる大きな要因として挙がっていたのが宗教,人種の違いというのも,アメリカならではのことであると思った。

   この授業で,結婚への成功への道として特に印象に残った言葉がある。「結婚により相手から何かを得られることを期待するのではなく,自分から相手に少しでも何かを与える努力をすることである」というものである。後に,日本で仲人をした時に,この言葉を中心に話をさせてもらった。

    「結婚学」を取っている学生の配偶者も出席出来る特別映画会,特別講演会が夜に開かれた。夫婦で出席する学生が多数いた。それもそのはず,9,300人の学生(大学院生を除く)のうち2,300人が既婚者であった。講演会の質疑応答では,婚前交渉,夫婦の性生活の問題など,当時の日本では考えられもしなかったし,今でもここに書くことをはばかれる問題まで,よくも皆の前で質問するし,講師も丁寧に答えるものだとびっくりさせられた。

   「結婚学」は,学部・男女にかかわらず身近で関心のある重要な問題を扱っているので,皆真剣に学習していたのもうなずける。