2013年2月 

 中学3年生対象の「東大模試」というのには驚いた。

 中高一貫校の中学3年生を対象に㈱ベネッセコーポレーションが1月に実施したのである。受験者は全国で1753人だった。

 東大模試とはいえ,当然,東大入試に出る問題が出るわけではなく,単に現在の学力を見るためのものである。

 孫の学力テストの個人成績表を見たら,「東大合格圏」とあり,その説明には「過去のデータでは中3でこの成績が確保出来ていた人の多くは東大に合格しています。このまま堅実に学習を積み重ねていきましょう」とあった。

 孫に「良かったね」と言ったら,嬉しそうではなく「英語で点を取れただけだ」と言っていた。それもそのはず,英,数,国の3科目だけの試験で,国語は平均点以下だった。

 この孫は両親の仕事の関係で,アメリカの3都市の保育園に行き,45年生の時はアメリカの小学校に行き卒業もした(この小学校は5年生で卒業)。帰国してからもせっかく覚えた英語を忘れないように今でも勉強しているので,英語は普段でもほとんど100点であるが,どういうわけか国語の成績が良くない。

 それにしても,この成績表を見て驚くのは問題が難し過ぎるということである。全国の平均点,国語38.5,数学32.0,英語57.5である。せめて平均点80点ぐらいの問題を出してもらいたい。もっと高くてもいいと私は思っている。

 このブログでアメリカの試験は易しいと何度も書いた。平均点90点以上の問題でも,はっきりと優劣がつくことをアメリカの大学での学期末試験で知った。

 今回の模試では,平均点が,英語が数学,国語の平均点の倍近くである。したがって,国語が平均点以下と言っても,英語が出来る人はかなり有利な結果となる。

 残念ながら,孫の成績は少なくとも今回の模試では東大合格圏とは言えないようである。

 繰り返し言いたい。日本の試験問題は難し過ぎる。そのために試験のための無駄な勉強をしていると言える。入試で選抜するのには難しい問題を出さなければと思われているようであるが,やさしい問題でも能力の優劣がはっきり分かることはアメリカの教育者は経験上分かっているのである。