(月刊『家庭科教育』198210月号より)

総理府が829日発表した『乳幼児教育に関する世論調査』は,「今の乳幼児は,物質的には恵まれているものの,しつけは行き届いておらず,親の方もしつけの仕方に困ったり,不安を抱いている」と,複雑な現代における子育ての難しさを浮き彫りにしている。今,深刻な社会問題になっている少年非行の原因は,「主に幼いころのしつけや家庭教育がきちんとしていなかったからである」ことを多くの親が認めている(64%)にもかかわらず,育児への自信のなさがうかがえる調査結果である。親に保育者としての自信を持たせる教育がいっそう望まれる。

本社主催の夏期講習会において詫摩武俊先生は『子どもの問題行動と親子関係』のご講演の中で「家庭の雰囲気チェックリスト」として25項目を挙げられた。このチェックリストに合うような家庭であれば,絶対に非行少年は生まれないであろうし,このような家庭は,実現可能な理想的家庭である。講習会の速記録は11月増刊号として11月上旬に発行されるので,ぜひお読みいただきたい。