一昨年の11月,75歳になる寸前に毎年受けている健康保険組合の集団検診を受けた。右目が白内障であることを除けば特に問題はなかった。

 

 75歳を過ぎても組合の診療所で,検診を受けられるか聞いたところ,それは出来ないということであった。

 75歳から国民健康保険に移された。それまで,会社から保険料の半額が支払われていたものが全額個人負担になった。その上,受診料が2割負担(実際には1割負担の期間が多かった。ある医者の話では選挙前になると1割負担になるそうである)だったのが3割負担となった。それまで,何人もの高齢者の知り合いが,老人になったら税金は増えるは,医療費は増えるはで大変であると苦情を言っていたのもなるほどと思わされた。

 昨年7月に,市役所から「長寿(後期高齢者)医療健康診査のご案内」が来た。

 市指定の医療機関で,受診料は無料ということであった。しかし人間ドッグを希望する場合は自己負担5,000円とのことであった。人間ドッグの内容は,健康診査の内容のほか,心電図,胸部・消化管X線検査,便潜血反応検査などとあった。こんな検査が,無料検診にないのではしょうがないので人間ドッグを受けることにした。人間ドッグを受ける希望者は実施医療機関に予約後,被保険者証を持って,市役所で申請手続きをしてくださいとあった。私は市役所まで行ったが,この手続きは郵便で充分である。健康でないかもしれない老人に交通不便な市役所まで来いというのはおかしいのではないかと思った。市役所に電話すれば許可証(?)を郵送すべきである。

 診査実施の医院に電話し予約することが出来た。そして人間ドッグなるものを受診したが,例年受診していた集団検診より簡単なものであった。その結果を聞きに行くのに,医院が始まるのは845分だが,混むので7時から順番待ちの番号札を配るので早く来た方がいいですと言われた。その言葉に従って,7時前に行ったら,既に番号札をもらう人が12人もいた(早い人は6時前に来たとのことであった)。その結果,先生に会えたのは10時半過ぎであった。

 検査結果は,ここ23年の集団検診の結果とほぼ同じであった。しかし,今までのデータがないせいか,胸部レントゲン,上部内視鏡検査,下部内視鏡検査,MRI検査を受けるようにと国立病院の予約を取ってくれたが,それぞれが違う日であった。

 紹介状を持って国立病院へ行ったが,今までのデータがないせいか,一通りの検査を終えたが,念のためにと,胸部レントゲン,MIR検査,心電図の精密な再検査などが別々の日にあり,その度にどこか悪いのではないかと不安な日が続いた。

 幸い最終的には健康上特に何も問題なしということでほっとした。健康保険組合で1日(約2時間半)で終わった検査が,10月から始めて終わったのが2月であった。その間10回以上の病院通いであった。しかし,精密な検査が行なわれたので,結果的には良かったと思っている。