◾️NEXUS情報の人類史 上
先に読んだ下巻に続き上巻も読むことができました。
上巻は近代までの情報の発展と広がり、それに伴う支配体制の変遷が書かれています。
全体主義とポピュリストの共通点(っていうか、ナチはポピュリストでしたよね)やその特徴と、プーチンの懐古(復古)主義のロシアや最近のトランプの言動などがよく当てはまり面白いです。
ただ、翻訳に難があって、ところどころ分かりにくい箇所が気になりました。
一例を挙げると、「情報システムは、真実はほんのわずかでも秩序がたっぷりあれば、多くを達成することができる。」
って、読んでいて何が言いたいか全然わかりませんでした。 でも、ここに引用しててやっと意味がわかりました。
つまり、「真実がほんのわずかしかなくても秩序がたっぷりあれば、情報システムは多くを達成することができる。」ですね。
翻訳がこなれていないものの、上下巻ともに大変面白いです。
オススメです。
◾️テクノ封建制
上に挙げた情報の人類史と比較すると、かなり見劣りします。
著者の主張の裏付けが乏しく、単に印象だけで書いているように思え、やや陰謀論的なロジックにも感じられます。
著者は左派ですが、左派でも右派でも偏るとろくな事はないという事でしょうか。
解説は斎藤幸平さんが書かれています。
この方、未読ですが「人新世の資本論」っていう有名な本の著者です。
正直言って、この解説だけ読めば、本文読む必要ないなと思いました。
人新世の資本論も読んでみようかな。
◾️婚活マエストロ
すごく予約数が多く、かなり待ってからようやく読めました。
この人の本、やっぱり面白いです。
成瀬シリーズよりはやや落ちますが、それでも面白くて、あっという間に読んじゃいました。
それにしても著者は滋賀愛が強すぎないか?
なんとしても滋賀を絡めてこようとするのもなかなか。
オススメです。
新作も出ていることを知ったので、すでに物凄い予約数が入っているけど、ジジイも予約しました。
◾️「言った者勝ち」社会
今年の6月30日出版だけあって、内容が極めてタイムリーです。
パワハラ認定され、公益通報にも関わらず自分の解釈だけで通報者を特定させ死に追いやった知事や、事実無根の誹謗中傷を繰り返し、これまた死に追いやったポピュリズム以下の党首など、言った者勝ち、やった者勝ちの風潮をうまく解説しています。
一点気になったことは、著者が誰かがわからず朝日新聞取材班となっていることです。
本文中には何度か、「筆者は〜」という表現があり、「〜と思うのだが。」という個人的と思われる考えを書いている部分もありながら、無記名なんです。
それでは批判対象のSNSと同じと受け取られてしまうのではないかと思います。
というか、昔から新聞社って著者を明らかにしないこと多いように思えます。
もしかして過去の凄惨な事件がトラウマになっているのでしょうか?
だとしたらやむなしです。
かくいうジジイも無記名で感想言ってますが。
オススメです。
◾️春夏秋冬代行者 春の舞 上/下
ヴァイオレットエバーガーデン原作者の作品ということで読んでみました。
装丁からティーンズ向けというかラノベです。
文章も場面描写がアニメ的で、その手の客層(ジジイ含む)には読みやすいと思います。
が、読みやすいと思ったのですが、どうもいけません。
設定がネオクラッシックって言うようなものに加えやたらと小難しい漢字を使うのはラノベあるあるなんでしょうか?
また場面、情景、心情を全部書いちゃってるのもどうかと。
結果、面白く読み進めることができず、途中挫折です。
アニメ化されればジジイが気になったところは解消され、テンポ良く進むでしょうからマシになるかも。
◾️完璧じゃない、あたしたち
ババヤガの著者の作品ということで読んでみました。
ごくごく短い小説を集めた短編集です。
最初の一本でもうやられました。 面白すぎるし、心情がよくわかる。
この人、面白いなあ。
別の著書も読んでみます。