■風が吹くと遅くなる?

先回のブログで自己ベストに迫る記録を風速6m/sの環境下で達成したと書きました。

 

 

往復で向かい風と追い風が均等にあったとしても、風がある時より無風の時のほうが速く走れることは経験上知っています。

でも実際にどのくらいの影響があるのかはわかりませんでした。

 

今回走行中の自転車の走行抵抗を算出するエクセルシートを提供してくれているサイトを見つけたので、実際に計算してみました。

といっても、ただ単にエクセルシートに数値をタイプしただけで、実際の計算はエクセルシートがやってくれてます。

 

■自転車が走っている時の抵抗

自転車が一定速度で走行しているときの走行抵抗には、空気抵抗、転がり抵抗、駆動損失、重力抵抗があります。

このうち重力抵抗は走行している路面の勾配がゼロ(平坦路)の場合、ゼロになります。

また空気抵抗は追い風を受けて、追い風の速度と同じ速度で走行すれば、ゼロになります。(追い風より遅い速度の場合、抵抗はマイナスとなります)

 

様々なパラメーター値を指定して、走行中のトータルの走行抵抗を計算してくれるエクセルシートがこちらのサイトにあります。

 

https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=11029&forum=120

 

このリンクは取説が載っているページで、エクセルシート自体はCBN downloadsというリンクからゲットできます。

 

■実際に計算してみた

ファイルには1000mTTとか定速走行とかといったシートが6枚入ってますが、そのうちの定パワー走行というシートを使います。

ホイールの慣性モーメントだとか、いろいろパラメータを入力できますが、わからないところはとりあえずそのまま。

ジジイは、身長、体重、自転車質量のみを変更し、目標パワーを200Wとして、気温20℃、標高350mで風速違いで計算しました。

風速は0、5(向かい風)、-5(追い風)m/sの3種類です。(5m/sは18㎞/h相当です。)

 

計算結果を書きます。

200W一定出力で各風速で達成する速度は、

風速0m/sで31.58㎞/h、5m/sで21.83㎞/h、-5m/sで43.27㎞/hとなりました。

 

■実走行と比較してみる

ジジイがタイムアタックに使っているコースは片道18.44㎞です。

そこをそれぞれの速度で走行した時の所要時間は、31.58㎞/hで0.584時間、21.83㎞/hで0.845時間、43.27㎞/hで0.426時間となります。

無風の場合、往復とも所要時間は0.584時間(平坦路と仮定)なので、往復の所要時間は倍の1.168時間(1時間10分5秒)、風がある場合は合計1.271時間(1時間16分16秒)となります。

つまり無風の状態に比べ、風速5m/s条件下では6分11秒も遅くなるという結果となりました。

比率にして8.8%ものダウンです。

 

ということはですよ。

先日6m/sの風の中で記録した1時間5分48秒の記録は、無風であれば1時間を切れてしまうということになります。

いくらなんでもそれはあり得ないので、実際の走行では風速6m/sではあったものの風の方向は進行方向とは一致していなかったと言えるでしょう。

そうじゃなければ平均198Wの出力で向かい風条件下で平均速度31.5km/hなんて達成できません。

 

■ターマックSL7は速い

ところで先日の実走行の記録では風のある状態で平均出力198Wで往復平均速度33.6㎞/hでした。

エクセルのモデルでは、200Wの出力で無風状態で達成できる速度が31.58㎞/hです。

つまり実走行のほうがエクセルのモデルに比べ少なくとも2㎞/h以上速いことになります。

しかも実走行はある程度風があり、途中交差点で完全停止を3回、折り返しでの停止も含めると4回も停止をしてこの記録です。

つまり差はもっとずっとあるということです。

 

このエクセルシートを作成した人がいつのどのロードバイクの値を使用したのかはわかりませんが、それに比べるとジジイのバイクであるターマックは圧倒的に速いということが分かります。

駆動損失はどのロードバイクでも大差ないでしょうから、差があるのは空力と転がり抵抗でしょう。

 

ターマックに限らないと思いますが、技術進化というものはやっぱりすごいなとあらためて痛感します。