暑さに負けてキノコ観察に行く気にならず、涼しい映画館で映画を見てしまいました。


映画館ではジャン=ポール・ベルモンド傑作選が行われており、行った日はその最終回、「レミゼラブル」が上映されていました。1995年の映画で、ビクトル・ユーゴーの小説を原作にしていました。


ビクトル・ユーゴーの小説は設定が19世紀の初期になっていましたが、映画は20世紀に変更され、登場人物にも変更が加えられていました。

ビクトル・ユーゴーの長編小説は「レミゼラブル」のほか、怪人のカジモドやジプシーのダンサー、エスメラルダが登場する「ノートルダム・ド・パリ」とフランス革命時の恐怖政治を描いた「九十三年」を読んだことはありますが、各小説の中では本筋とは関係のない様々なエピソード、芸術や建築に関する論評が出てくるので、フランス文化に詳しくない者てしては読みづらかったことを思いだします。

原作の「レミゼラブル」では、家族のためにパンを盗んだため徒刑場で19年服役したジャン・バルジャンが宿屋から追い出された後、ミリエル司教の司教館に現れるところがから始まります。人間不審の塊だったバルジャンは司教の温かいもてなしに感激しますが、司教の銀の燭台を盗んでしまいます。バルジャンは警察に捕まり、司教の前に引き出されますが、司教は「燭台はバルジャンに与えた物で盗まれていない」と証言し、バルジャンは放免されます。このエピソードは映画の中でも小説の中の再現されており、以後のバルジャンの行動に大きな影響を与えます。その後、バルジャンは名前を変え、事業に成功して市長になります。バルジャンの工場で働く女性フォンテーヌには3歳の娘、コゼットがおり、知り合いに預けていましたが、養育費をせびられて借金がかさんでいました。バルジャンはコゼットを救おうとしますが、自分と間違われて逮捕された男がいることを知り、その男を救うために自分の正体を晒す決心をします。バルジャンは逮捕されて徒刑場に送られ、コゼットを救うことができなくなります。バルジャンはコゼットを救うために脱獄し、コゼットとともにパリに逃亡します。パリではコゼットは共和派の青年マリユスと恋に落ちます。二人の結婚式の後、バルジャンは自分の正体を明かし、二人から去っていきます。


映画は原作の主要なエピソードを用い、20世紀が舞台になっているので第二次世界大戦、ユダヤ人迫害、レジスタンス等が描かれます。映画の内容については、次回で述べたいと思います。