1992年のNHKスペシャル「大モンゴル」の第5回「巨大帝国の遺産」でウクライナが出てきました。それによるとウクライナは元々独立したキエフ大公国でしたが、モンゴルのルーシ侵攻で国が崩壊してしまいました。その後、地方の小国に過ぎなかったモスクワ大公国がモンゴルに賄賂を送ってルーシの徴税権を獲得して栄え、ウクライナは国力が衰える一方となったそうです。しかし、ウクライナの人々にはスラブ人の源流という思いが強く、モスクワに対して強い対抗意識があるとのことでした。加えてソビエト連邦が設立されるとウクライナの小麦が過剰に輸出されて飢饉が発生、数多くのウクライナの人達が餓死するという悲惨な目にあっています。

2022年のロシアのウクライナ侵攻ついては遠い場所の戦争のためか、マスコミの積極的な報道がなく、戦況がわかりません。この映画は戦争勃発直後のアゾフ海に面した町マリウポリの状況を伝えるドキュメンタリー映画です。

ロシアの侵攻後、次々と通信社の記者が撤退するのですが、AP通信のウクライナ人記者は残って取材する決心をします。街には取り乱して町を徘徊する人がおり、記者はロシア軍は民間人に危害を加えないから家に戻るように説得します。しかし、その説得は裏切られ、民間人の住むアパート等に攻撃が始まります。病院を取材すると砲弾の破片で負傷した少年が運ばれ、医師等は涙を流しながら必死で治療しますたが、治療の甲斐なく、少年はな亡くなってしまいます。ロシア軍はインフラ攻撃も行っており、停電や断水が起こり、封鎖による鎮痛剤や抗生物質の不足から有効な治療が難しくなります。しかし、病院に運び込まれる負傷者の数は増えていきます。業を煮やしたロシア軍は病院の砲撃を開始し、産科病棟が被害を受けます。負傷した妊婦さんを取材した映像をAP通信に送ると各国で報道され、ロシアは強い非難を受けるようになりました。ロシアも非難に耐えられず、負傷した妊婦さんの映像はフェイクであるとの宣伝をするようになります。町の郊外では数人の役場の人達が死亡者の埋葬を行っていましたが、埋葬者の中には病院で出会った人達が含まれており、ショックを受けます。また、砲撃を受けたスーパーでは掠奪が起こっており、治安が急激に悪化していました。wifiの電波が入る場所が少なくなり、映像を送るのも難しくなります。病院の取材を続けているとロシア軍の戦車が近くまてやって来るようになり、身の危険を感じるようになりました。さらに病院の近くに狙撃手が配置され、病院から出られなくなりました。記者がロシア軍に逮捕されると妊婦さんの映像はフェイクだと強制的に自白させられ、その情報が拡散される危険を感じた記者の仲間が特殊部隊を派遣してくれて病院を脱出、赤十字の車列に加わって戦場の離脱に成功します。

映画には血がベットリついたタンカやベッド等、目を背けたくなる場面が現れますが、これが現実なのです。

日本はウクライナの債務保証で2兆円、アメリカの武器援助の保証で9兆円支出するかもしれないとの情報が流れています。ロシアのウクライナ侵攻がどのような結末を迎えるかわかりませんが、これからもSNSやyoutubeで情報収集していきます。