アニメ「BLACK LAGOON」を一気観する | 井蛙之見(せいあのけん)

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楽しく話し、酒色に耽り(!)、妄想を語り、ぐっすり眠る。
素晴らしきかな人生!
井の中の蛙 大海を知らず 
されど、空の蒼さを知る
(五十路のオッサン、ロードバイクにハマる。)

アニメ「BLACK LAGOON」を一気観する。(全29話)

タイの架空の犯罪都市ロアナプラの裏社会が舞台。

ヤバいブツの運び屋に故あって紛れ込んだ日本人を主人公としたハナシ。

イカレタ奴らがこれでもかと登場する。

世界情勢を絡めた血生臭い物語が展開する。

すでに実社会では死人と自らをみなしたジト眼のキチ〇イどもが暗躍する。

ジェイソン・ステイサムさん主演の「トランス・ポーター」(3作)が

好きなのでヤバい社会の危ない運び屋の話は世界観の理解が早く済む。

 

私は勧善懲悪のお話はあまり好きではない。

そうではなく、ピカレスクロマン(悪漢小説)の類に惹かれる。

子供の時から「水戸黄門」ではなく「必殺シリーズ」のほうが好き。

なので、「日本の侠客ものといった義理と人情の話」よりも

「ゴッドファーザー」や「ジョン・ウィック」のような

「自分たち(自分の帰属する組織)が生き残るためには手段は択ばない」

という考え方に惹かれる。

そういえば「BLACK LAGOON」でも香港系マフィアのボスに

「悪事より一等嫌いなのは偽善だ」というセリフを語らせている。

アウトサイダーの哲学、というか「悪の肯定」。実にしっくりくる。

もっとも哲学というほど立派なものではない。

右でも左でもない。私が阿佐田哲也師匠に惹かれる理由もそれだ。

(勝手に阿佐田さんに私淑している私のバイブルは「阿佐田哲也 勝負語録」)

 

「俺たちは無様に生き残ったんだ!人間生きるため死ぬため大義名分を欲しがる。
そんなものはどうでもいいんだ!明日のない俺たちは無様に生き続けるしかないんですよ!」

(「必殺必中 仕事屋稼業」知らぬ顔の半兵衛)

 

私は人と話すのが好きで、相手を試すような話し方を時々するので

友人にたしなめられることがある。

悪い癖だが「質問をして回答を得ること」はその人の考え方の道筋や

「信仰」を知るうえでとても参考になる。

その際に体裁を整えて、ファクトとか「理想的な前提」をもとに

話を進め展開していただくと一層有難い。

「自分は頭がいい」と信じて疑わない人ならなおさら、余裕をもって

「正しい道筋」(根拠ですね)から懇切丁寧に話を進めてくれる。

こういう「学校や社員教育で正しく取り換えの効く部品として加工された人たち

(JIS規格かな)」を観てるとウキウキとして嬉しくなる。

もっとも、私が好きなのは「質問を重ねていく課程で相手が気づかぬ内に

露呈していく矛盾や論理破綻をみる」のが愉しかったりするのが

その理由なのだが・・・。

 

最近は本当にこういう一般的にはアウトローとかサイコパスといったものに

惹かれ続けている。映画や漫画、本当に愉しい。

「ハンニバル」は全39話のドラマでは飽き足らず一気に映画版(4作)も観た。

そうするなかで、今更ながら一つ気づいたことがある。

 

それは、自分が「他人への共感が乏しい」ということにだ。

こういう性向を調べてみると・・・

・感情の欠落(共感性・罪悪感の欠如など)
・衝動性(刺激を求める・長期目標の欠如
・虚偽的な対人関係(表面的な魅力・ナルシシズム・病的虚言)

これらはサイコパスの特徴らしいのだが・・・

あ、コレあかんやつや・・・。

 

それゆえ私は一般人が信奉し、ありがたがる「他人の価値感」には

全く興味・関心がない。

その典型は相手の社会的な地位とか学歴だ。

こんなものにはク〇以下の価値しか見いだせない。

したがって、こういった価値観の熱烈な信奉者にも同じ

ク〇以下の価値しか感じない。

対象となる人の価値を測るのにこういったものに頼るというのは

ある意味、楽だし信頼性を安易に測るにはいいのだが、人間観察が疎かになり目が曇る。

私は相手に質問してどういった回答が得られるか、どういう考え方、話し方をするかで判断する。

先に挙げた、他人の価値観、しかも、日本の学歴とか社会的地位などで何がわかるのだ。

そもそも、たかが100年に満たない人生に何の価値や優劣があるというのだろう。

そういった意味では「自分が約束したことは守る」(特に時間)以外に

自分を縛り付ける枷はない。

 

最近は偽善者ばかりで本当に嫌になる。

「BLACK LAGOON」はもうずいぶん前の作品ながら

「人間の本質に迫る」ようで実に楽しく観れた。

どんなにキレイごとを言ったところで、

この世界にはボスと奴隷と敵の三つしかない。

 自身の行動原理に正義や理想を掲げるような奴はどうにも胡散臭い。

いっそのこと、信じる神(信仰)は金か趣味というほうが私には腑に落ちる。

「BLACK LAGOON」の世界観「カネと銃(暴力)がすべて」

実にシンプルでいいじゃないか。