コミュニケーションは
たくさん とれる けど
認知症を 患い 日々
孤独 心配 不安と 戦いながら
施設で 暮らされている
久利田さん
厚手の コートを
風呂敷 がわりに
歯ブラシ やら コップやら
靴下やら 下着やら たくさん 包んで
車椅子を 漕ぎ漕ぎ
居室から 出てくると
ねぇねぇ 渡辺さん
どーしたら 私は
ここから 出られるの?
彼女は
私を ワタナベさん と 呼ぶ
面会時の 娘さんに 聞いたらば
前に とても お世話になった
大好きな 職員の 方らしい
しかし
シュッと した 若い方で
私には 全然 似てない らしい
私は 渡辺では ありませんが
どーしましたか?
と 返答すると
あら嫌だ 何言ってんのよ
だって 渡辺さんじゃないよ
嘘 言わないでよ〜
この 度々の やりとり が
少々 面倒 くさくなり
胸に 名札を 付ける 事にした
『ネェネェわたな‥‥』
と 言いかけて
振り返る 私の 名札に 気がつき
途中で やめる
なんだか だんだん 気の毒になり
最近は
源氏名を ワタナべ に している
名前なんて
何でも いーじゃんか
頼りに されてんだ 喜べよ
アンポンタン
2連休
久しぶりに ばあちゃん達を 作る
やっぱ 楽しい
なんか 元気だねー
時間を 忘れて 黙々と
どっかに いそうな ばあちゃん達