柔道部物語【夜食のおにぎり】
まだ、コンビニなど街には無かった時代のお話です。
1年生の時、全国大会を目前に控え、レギラーは、夕食後の21:00から夜の稽古に励んでいた頃、夜の稽古に参加しない、1年生がマネージャー部屋に集められました。
夜の稽古をしているレギュラーに夜食を用意する為、舎監(住み込みの調理員)にお願いして、夕食時に余ったご飯を廃棄せずにもらい受ける代わりに、厨房の掃除を行うことで、余った白米とかつお節、醤油、みそ、梅干し、沢庵などを分けてもらい夜食様に、おにぎりを作ることになりました。
ごはんの中にかつお節と醤油をまぶし、マネージャーの先輩指導の下、生まれて初めて、おにぎりなる物を作りました。水を張ったボールから手に水を薄くつけて、しゃもじでご飯を取り各々好きなように握って大皿に盛りつけました。
丼には、沢庵・梅干し・みそなどを用意しました。出来上がったおにぎりは、大小様々な丸い岩のような形で、おにぎりとは、程遠い代物でした。夜の練習を終えたレギュラーたちが次々とマネージャー部屋にやってきておにぎりをムシャムシャと食べておりました。
人生で一番食欲の旺盛な年代ですので、大量に作ったおにぎりは、瞬く間になくいなってしまいました。夜の練習は試合先日まで1週間ほど続きましたので、毎晩おにぎりを作ることになりました。
最初は、ごつごつとしたおにぎりでしたが、2~3日も作っているとなれるもので、均等な三角おにぎりを作れるようになり、居酒屋レベルまで腕が上がりました。
お陰様で現在では、おにぎりが得意料理の一つとなり、外出時やお弁当におにぎりを持っていくようになりました。