散文雑文集とは銘打っていますがその内容は雑多です。諶容は大学でロシア語を専攻していた関係上、この本にはロシアやソビエト連邦の小説を自分で翻訳したものも入っています。ロシア人ってどうしてあれだけ名前が難しいのでしょうか。私は中国語以上に男女の区別も分からないまま小説を読み終わってしまいました。

 

ただ、ソビエト連邦の小説の翻訳物(「阿里娜和她的外祖母」)は、中華人民共和国の小説と形式がかなり違うことを知りました。ソ連の小説からいろいろ吸収したら、中国でもっと多様な形式の小説ができただろうにと思いました。もっともソ連とは仲が悪い時期が長かったので、無理だったんだろうなと容易に想像は付きますが。

 

個人的に面白いと思ったのは、聶華苓夫妻の「国際写作計画」に基づき諶容が米国を訪問した時のことを書いた雑文です。彼女は英語もできるのか、アメリカ人シングルマザーと仲良くなったり、黒人男性と友達になって自宅を訪問したりと、今の時代には考えられない程精力的に活動しています。

 

次は文集で最後に残った長編小説「夢中的河」を読みたいと思います。

 

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書  籍 名:『諶容文集』第6巻 散文雑文

作  者:諶容

出版社名:作家出版社

出  版 日:2019年9月 第1版

     2019年9月 第1次印刷

自己評価:★★★★★
文  字 数:260千字/計68,285千字
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