中華人民共和国では不遇の人生を送った作家 沈従文の半生を描いた自伝です。伝記以外に関係者とやり取りをした書簡や評論なども多数収められています。沈従文は1902年湖南省の湘西に生まれました。当時、湘西は少数民族が多く、他の地域からは隔絶された場所として存在していました。沈従文はそこで小学校を卒業するかしないかの時に地方軍閥に入り書記の仕事をします。しかし学問への夢は捨てがたく、書記の仕事を辞めて北京へと上京します。出版社を開く計画の友達の勧めによって、1931年に湘西で過ごした期間(1902年~1923年)のいきさつを2、3週間で書き上げたのがこの「従文自伝」です。これまで私は中編小説「辺城」ぐらいしか読んだことのなかったのですが、これを機会にこの作家に対する理解を深めていきたいと考えています。

 

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書  籍 名:《従文自伝》

作  者:沈従文

出版社名:北京出版集団公司

     北京十月文芸出版社

出  版 日:2013年7月 第2版

     2013年7月 第1次印刷
自己評価:★★★★
文  字 数:345千字/計65,323千字
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