復旦大学中文系の陳思和教授が、中国現代文学が専攻ではない大学生の一般教養カリキュラム向けに書いた教科書。そのため、15コマ分の内容が用意されています。

 

非常に濃密な内容が書かれています。特に魯迅の「狂人日記」に関する記述は群を抜いて中身が深いです。現代文学で魯迅研究が一番進んでいるからかもしれません。

 

魯迅以外には、周作人の散文集「知堂文集」、沈従文の中編小説「辺城」、曹禺の戯曲「雷雨」、蕭紅の長編小説「生死場」、老舎の長編小説「駱駝祥子」などの名作が題材に挙げられています。

 

元の題材の作品を読んでいないと、この本だけを読んでもちんぷんかんぷんかも知れません。ぜひ元の作品も読んで、この本をご覧になることをお勧めします。

 

P.S. 特に第一講の「文本細読的意義和方法」は「目から鱗」でした。文学はまずはテキストの細読ありきということを徹底的に教えられました。

 

===================================

書  籍 名:《中国現当代文学名篇十五講(第二版)》

作  者:陳思和

出版社名:北京大学出版社

出  版 日:2004年7月 第1版  

               2013年2月 第2版

     2013年2月 第1次印刷
自己評価:★★★★★
文  字 数:400千字/計64,978千字
====================================