北京十月文芸出版社が出版している「周作人自編集」を全て校正している止庵が書いた「周作人伝」です。止庵という人はとても面白い人で、元は北京医学院口腔系(現北京大学医学部口腔学院)を卒業した歯科医ですが、文学が好きすぎて文学研究者やエッセイストになった人です。

 

周作人は戦前の中国で一時期、魯迅を超える知識人として、また北京大学教授として活躍しました。しかし、戦後になると漢奸として国民党に囚われ、その後南京の監獄から釈放されるも、共産党下では北京で蟄居生活を命ぜられます。晩年は作家協会などの協力を得て翻訳を生業として過ごしますが、1967年寂しく亡くなります。

 

止庵の書いた「周作人伝」と銭理群の書いた「周作人伝」ではどちらが良いかと言われると悩みますが、それぞれ個性がありますので、ご興味のある方は是非両方ともご覧ください。止庵版の方が少し学術的な書き方で、銭理群版の方は外国人には中国語がとっつきやすい書き方という特徴があるように思いました。

 

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書  籍 名:《周作人伝》

作  者:止庵

出版社名:山東画報出版社

出  版 日:2009年1月 第1版  

               2009年1月 第1次印刷
自己評価:★★★★★
文  字 数:300千字/計64,361千字
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