五七幹部学校は、中国国共産党と政府機関の幹部が、農村に行き労働に参加して政治意識を高め、その結果、官僚主義や教条主義的な作風を改めるために設置された農場です。元々は労働改造農場や国営農場だった所などを明け渡し、にわか作りで設置されたといいます。
五七幹部学校は、1966年5月7日に毛沢東が林彪にあてた手紙で述べた〈全国を革命化した大きな学校にしよう〉という「五七指示」の精神に基づき、黒竜江省革命委員会が1968年5月7日に黒竜江省慶安県柳河の農村に設置したのがはじまりと言われています。
その後、全国に同様の農場が開設され、どれだけ地位の高い幹部であろうと職員であろうと、老人、虚弱者、病人、身体障害者以外はすべて、一定期間五七幹部学校で教育という名の生産労働を行うことが義務づけられました。
この本では、五七幹部学校で生産労働に従事したことのある人々が書いた文章を色々なソースから集めてきて整理し、すでに過去のものとなった五七幹部学校の全体像が分かるように編集されています。
牛棚(牛小屋)より五七幹部学校の方が精神面で気分的に楽だったという経験者の記述が何度も見られましたが、有名な文学者まで農場に追いやられ重労働の農作業をさせられていたことを見ると、国家人材の無駄遣いばかりが気になりました。
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書 籍 名:《我与五七幹校》
作 者:郭徳宏 宋淑玉 張芸 編
出版社名:人民出版社
出 版 日:2009年4月 第1版
2018年7月 北京第2次印刷
自己評価:★★★
文 字 数:265千字/計62,679千字
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