1990年代初期の内モンゴル自治区呼和浩特市を舞台に、小学校六年生の男の子に訪れたある八月の状況を映し出しています。

 

1990年代初期と言えば、東北地方所在の国営企業は経営が成り立たず、至る所で重组(リストラ)、下岗(レイオフ)が実施されていた時代です。

 

この男の子の父親は地元の映画製作所で勤務していました。母親は学校の教師をしながら昙花(ウドンゲの花)を一生懸命育てていました。男の子自体は有名中学に上がるのに点数が足りず悩んでいました。

 

それぞれがそれぞれの事情を抱えていた夏でしたが、目に見えるもの目に見えないものを含めいろいろな変化が訪れ、夏の終わりには男の子は一回り大きく成長していきます。

 

この映画は第53回金馬賞最優秀脚本賞を受賞しています。

 

ただ、監督の思いからか画面は白黒で撮影されていて、カラー映像はほんの一部しかありません。

 

この手法が効果を上げているかどうかは、映画をご覧になられた方に評価をお任せします。

 

当時東北地方のプロジェクトに参加し、長期間出張していたチュー太郎としては、結構じわっとくる話でした。