不忍池へ行ったのは実は仮の姿。本当の目的は都立旧岩崎邸庭園に行くことにありました。

 

御厨貴先生の「権力の館を考える('16)」の授業に興味があり、三菱財閥と縁の深いこの地を一度は訪れたいと考えていました。正門から洋館に至るまでの道のりはテレビドラマのシーンのようで圧巻でした。

 

 

旧岩崎邸庭園は明治29年(1896年)岩崎弥太郎の長男で三菱第三代社長の岩崎久彌の本邸として建築されました。今回の訪問にあたりちょっと残念だったのは、洋館の左半分が改修工事中だったこと。それでも雰囲気は十分味わえました。

 

 

館内は土足厳禁のためビニール袋に靴を入れて見学しました。埃一つ落ちていなく臭いもせず、中国とは全然違うなあと思ってしまいました。(^-^;) 平日の午後ということもありほとんど見学者がおらず、静かな雰囲気の中でじっくり見学できました。

 

 

館内はフラッシュを焚かないのであれば写真撮影OKとのことでしたので、何枚か撮影させてもらいました。一階の婦人客室の天井はシルクの日本刺繍が施され、布張りとなっていました。

 

 

二階の客室の壁には「金唐革紙」が貼られていました。ヨーロッパでは革で作った壁紙を使用していましたが、日本では動物の革の代わりに和紙で立体感を出し壁紙を作ったとのこと。丁寧な仕事ぶりは見事です。

 

 

通路も120年前の建物とは思えない程厳かな雰囲気を漂わせていました。写真には取りませんでしたが、120年前の陶器製洋式トイレも拝見してきました。

 

 

私がよくアテンドで行った張氏帥府(張学良のお屋敷)の石造りのどっしりとした洋館と比べると、こちらのお屋敷は迫力に欠けるなあと思っていたら、120年前の岩崎邸の敷地面積は現在の3倍(東京ドームより大きいレベル)あったとのことです。(下記の地図をご参照ください)

 

 

実際には正面の来客用洋館より奥まったところに作られた住居用和室の方が規模が大きかったようです。今も一部の建物がきれいに残されているので一通り見学してきました。

 

 

日本間はやっぱり落ち着きますね。お屋敷の中に設置されている喫茶コーナーでコーヒーフロートを飲みながら機嫌よくくつろぐことができました。ぽたぽたと流れていた汗もやっとおさまりました。

 

 

こちらは当主のお部屋ですが、何だか時代劇に出てくるような作りでした。後付けの電燈だけが何だか不釣り合いな感じです。

 

 

庭も見学してきましたが、左側にマンションの建物が見えるのはお愛嬌です。120年前はそのあたりも全て屋敷の一部ということで、園遊会等東京で大きな催事を開催する場合は、毎回この岩崎邸が使用されたとのことです。

 

 

今回は日本資本主義の原点を目の当たりにした気がしました。仕事をさぼってきた甲斐がありました。(爆)