強すぎるほど個性が強いフルーツ・チャン監督の作品。

 

内陸から香港に渡ってきた人々の最下層の生活実態を真正面から描いています。

 

黒竜江省牡丹江市から出稼ぎにやってきた女性 秦燕(チン・イエン)と深圳から家族と一緒に香港に偷渡してきた幼い少女 阿芬(アー・フェン)とのやり取りが主旋律をなしています。

 

象徴性のあるモノとして画面に出てくるのが「榴蓮(ドリアン)」です。

 

ドリアンは東南アジアで食される子供の頭ほどの大きさの果物の王様です。熟してくると犬の糞のような悪臭を発し、人々から嫌われていますが、一度食べてみるとその味は徐々に癖になるという変わった食べ物です。

 

このドリアンが映画の所々で現れます。ドリアンは一体何の象徴なのでしょうか。香港の象徴なのでしょうか。

 

この作品では映画初出演の秦海璐(チン・ハイルー)が謎の大陸女を演じていますが、後半にかけてその謎が解けて、彼女のバックボーンが徐々に明らかになっていきます。

 

私はフルーツ・チャン監督の作品は個性が強すぎるので、あまり好きではないのですが、この映画はさすがだと思いました。

 

監督は逞しく生きる新しいタイプの中国人女性を描きたかったのでしょうか。あるいは、内陸の置かれた経済的に厳しい現状を伝えたかったのでしょうか。

 

ちなみにこの映画は思想に問題ありということで、内陸では上映されていません。私はアマゾン経由で中古のDVDを買いました。

 

50年後に残る作品だと思います。