初日と二日目の11時公演を観ました。今の雪組と星組は若いファンが多い印象がありますが、この両日もロビーは若い観客で大賑わいでした。作品自体も若い人向けという感じで、とてもエネルギッシュで熱量の高い舞台でした。
幕開けはインド的な歌とダンスから。緞帳が上がると巨大な英国国旗が現れ、植民地政策に反対するインド人をラーマ(暁さん)が鎮圧する場面へ。この時、巨大なマジックハンドのような装置で腰の辺りを固定された暁さんが宙を舞い、その後、女性ダンサー(詩さん)もオケピットの上で吊らされましたが、装置が手作り感満載で、私の横の若い観客は大喜びでしたが、私は怪我や事故が心配で落ち着いて見られずでした。
物語は基本的に初演通りで、英国人に拉致された村娘(茉莉那さん)の救出劇が中心。ラーマの幼少期など新場面も加わりましたが、どうしても救出劇の立役者であるビーム(瑠風さん)のほうがカッコ良く見える脚本に思えました。初演で舞空さんが演じたジェニー(乙華さん)のほうがシータ(詩さん)より出番が多いままなのも宝塚的には疑問。ナートゥダンスも盛り上がりましたが、最後まで踊り切る勝者もラーマではなくビームのまま。もっと変えてもよいのではと思いました。
つまり、これは初演時にも感じたことですが、谷先生が目指したのは「RRR」の舞台化であって、私はもっと「宝塚化」を極めてほしかったです。今回も初日の客席で植田先生をお見掛けしましたが、自己の名声より座付としての使命を最優先させた植田イズムが、なんだか恋しくなりました。とはいえ、古い宝塚ファンの私には物足りなく感じた脚本を、宝塚の舞台として懸命に見せていた暁さんら出演者の熱演には、尊いものを感じました。
暁さんは星組と作品を背負う立場として、ラーマを全身全霊で演じ切っていました。台詞、歌、ダンスのすべてに並々ならぬ気迫があり、脚本上は悪役に見えかねないラーマに観客の共感を集めているのは、ひとえに暁さん自身の魅力。暁さんの体力に頼り過ぎに感じる演出だけに、どうか怪我のないよう気をつけて頂きたいと思います。
瑠風さんは、ポスターで見た印象よりも精悍さが控えめに感じられましたが、それも普通に演じればビームが主役に見えてしまいかねない脚本を踏まえた役作りだったのかもと思いました。暁さんとの同期ならではのバディ感は絶品でした。詩さんはシータ役での出番の少なさをダンサー役との兼務で補われた感じもしますが役が小さい。でも、ダンスの感情表現はもっと深めて欲しいかな。
応援している瑠璃さんが初演で英国人に連れ去られる少女役だったのが今回は少女を連れ去る側の英国夫人役なのも面白いところ。ご退団の天希さん、鳳花さん、専科へ異動の輝咲さんも活躍されて有終の美を飾れました。二階席も客席降りがあったのも嬉しい配慮でした。ロケットでは初日はナートゥダンスをしていたように思いますが、二日目はなくなったような……これは気のせいかもです。
そして、やはり話題はパレード。暁さん、詩さん、瑠風さんの羽根が孔雀の羽根ではなくキラキラの繊維(布)が中心に変わりました。電飾も埋め込まれて、私は少し安っぽく見えた上に、こちらも「感電は大丈夫?」と余計な心配をしてしまいました。色々文句を言いながらも、再演ならではの新しい試みも楽しめた観劇でした。




