初日へ行きました。プロローグで、小公子のマイクが入らず、思わず、最後まで頑張れという、祈るような気持ちでの観劇になりました(紀城さんは見事に歌い切りました🎉)。


凄まじいチケット難の中、最後列ながら見られただけで幸せでした。こんなに沢山の元気を頂けるのであれば、これなら、宙組の公演期間も雪組をやれば良かったのにと思いました。


勿論、巨大な薔薇の装置や失神するシッシーナ夫人や悶絶するモンゼット夫人など、初見の方々には驚きの演出もてんこ盛りですが、それらも含めて初演からの名場面の再現と新鮮な趣向が本当に楽しくて、もう、素晴らしかったです。


⚠️ここから激しくネタばれします。めちゃくちゃネタばれです。


↓肉眼では全面ピンクでしたが、スマホで撮影すると青色に。



脚本の流れは大浦さん版に近い印象でした。バスティーユを二幕へ移動させて、あとはあの「フェルゼン編」とほぼ同じ。お芝居は一幕、二幕、それぞれ約1時間で、フィナーレが30分。短時間なので、各配役の出番は少ないのですが、無理やりフェルゼンが出てくる事もなく見慣れた私には首尾一貫しているように思えました。

一幕はプロローグ→フェルゼンの「愛の面影」→仮面舞踏会(「パリの夜」の歌手は音彩さん)→フェルゼン、王妃、オスカルの「叶わぬ恋」→薔薇の精の群舞→逢瀬(ポスターの衣装、影ソロは有栖さん)→貴族夫人達とジャンヌ→オスカルとフェルゼン→オスカルの「愛の巡礼」→メルシー伯爵とフェルゼン→フェルゼン帰国→オスカル近衛隊辞任→アンドレ「白ばらの人」→今宵一夜→ジェローデルがフェルゼン邸へ行き、王妃救出懇願→スウェーデン王宮(フランスへ出発)。

二幕はプロローグ→市民群舞(フレンチミュージカル調)→チュイルリー宮→王妃新曲→コンコルド広場(ジャンヌの歌なし)→フェルゼンとジェローデルがパリ近郊の農地に到着→馬車「行けフェルゼン」→バスティーユ(ジェローデル回想)→フェルゼン鎮魂の新曲→牢獄→断頭台→フィナーレ。

目新しいのは二幕の市民の群舞。曲調がロックで、何なん?でしたが、若手達のダンス力に目を見張りました。宝塚は全員がクラシックバレイを体得しているので薔薇の精も全員が流麗。バスティーユの群舞は年度賞確実の大迫力。雪組はチームワークが素晴らしく、何度も見惚れ、聞き惚れました。

客席降りが二回。一幕ラストはフェルゼンが客席を走り抜け、客席騒然。幕間に感激で泣いていた人もいました。パレードで大階段を降りた組子がそのまま袖に入り、彩風さんが降りて来た途端、一階横のドワから男役達が登場。娘役は輪っかのドレスなので流石に無理でしたが、見た事のない趣向のパレードに大盛り上がりで幕。一階の様子は知人から伺いましたが私の二階後方からも見えました。


彩風さんが素晴らしかったです。言うまでもなく、フェルゼンの言動はカッコいいところが少ない上に、王妃が一目惚れし、観客が惚れなければならない難役。それを稀代の美しさで体現した上に役作りも見事でした。特にメルシー伯爵に説教される辺りは10代の青年、その後、成長していくのが感じられ、終幕の牢獄では号泣せず、王妃として全うしたいというアントワネットを理解し泣きながら笑顔も見せて、正に有終の美に相応しい至芸だと感動しました。

夢白さんも絶品。凄絶的な美しさで、今の娘役トップでは彼女以外のアントワネットは考えられないほどでした。朝美さんも、めちゃくちゃ美しく華やか。声が高めなのはフェルゼン編だからという、知人の話に納得で、オスカルの女心が見事に表現され、バスティーユは胸をえぐられるような感動がありました(お二人でオスカルとアントワネット編が見たいかも、外箱の前物芝居でもいいので)。

縣さんは、声の質、全体の雰囲気がたまらなく切なく、アンドレが出てくるだけで私は泣いてしまいました。諏訪さんの瞳がうるうるして、艶やかなジェローデルだと見惚れたのですが、翌日休演。復帰をお祈りするばかりです。ベルナールの華世さん、ロザリーの野々花さんも熱演でした。そして、ジャンヌの音彩さんの大芝居が先輩相手に怯まず爽快なほどの迫力でした。汝鳥さん、夏美さん、万里さん、悠真さんも的確で見応えありました。

奏乃さんと真那さんの国王兄弟の若々しさも私はありだと感嘆しました。こんな風に一人一人上げていくのが、もどかしいほど熱のこもった舞台でした。フィナーレは長くなったので割愛しますが、泣けたのは彩風さんの終演挨拶。ひたすら作品と先人への敬意を語り、大洲市という、片田舎から出てきた彼女がこんなに立派になって…と、同郷の私(松山市出身)は親心で号泣してしまいました。

50周年記念なので、徹底的に名場面集でも良かったのに、フィナーレも含めて、決して自己オマージュにせず、あくまで彩風さんの送別に徹し、彩風さんに最後の大階段で「宝塚、我が心の故郷」を歌わせた、今年91才の植田先生の座付としての使命感と偉業にも深く感銘しました。

チケットは無いのですが(友会、頼むわ)、是非とも再見したいです。あと、余談ですが、組長の奏乃さんの挨拶で気づいたのですが、住友VISAの冠がついてました。ポスターにも追記されてますね。宙組問題の影響で「こっそり対応」に変更したのでしょうか。







↓愛媛祭🎉

↓⚠️テラス封鎖されてます