韓国で「ディアエバンハン」を観ました。

日時:2024/04/28 1500公演
劇場:忠武アートセンター


対人恐怖症の男子高生エバンハンセンは治療のために自分宛に書いた手紙(親愛なるエバンで始まる手紙)を校内の嫌われ者コナーに奪われる。翌日、コナーが自殺し、エバンの手紙を見たコナーの両親から二人が親友だったと勘違いされ、涙を流して喜ぶ姿を見たエバンは親友だったと嘘を重ねてしまい、そして…。


オフブロードウェイ→オン→映画化→韓国初演。何と日本より先に韓国がアジア初演。ララランドやグレーテストショーマンのチームが作ったという音楽が良かったです。三浦春馬さんが生前にNYで見てコンサートで歌ったという、この作品の主題でもあるYou will be found =君は一人でないを始め、歌詞も旋律も心に響く楽曲揃いなのは大きな魅力でした。

物語も嘘に嘘を重ねるので、後で取り返しがつかなくなる緊張感の中、彼の嘘により自分の息子に誰一人友達がいないと心を痛めていたコナーの両親が喜びと安らぎを覚え、エバン自身も自殺未遂もした自分の孤独感から解放され、自分の存在を認めてくれる人に巡りあった幸せを感じる姿に涙を禁じ得ず、感動的な物語で世界中で愛されているのも良くわかりました。

ただ、率直なところ、映画版のほうが私は良かったです。私自身が大作好きなので、8名しか役者がいない事が何とも物足らずでした。元々オフ作品なので…ですが、大半が独白か独唱、又は舞台に30台ほど設置された液晶に映る人々の映像で処理されて、ここは大人数の群舞や合唱で盛り上げれば…と何度も感じました。多数の液晶処理が本作のウリなんですけどね。

出演者ではエバンを演じたINFINITEのソンギュさんの伏し目がちな姿が痛々しく、歌も切なくて見事でした。この日が彼の誕生日で客席は若いファンで埋め尽くされ、私一人がおじさんでした。私は彼に感動し何度か泣いたのですが、若いファンは明るく歌い踊る彼を見たかったのでは…とも思いました。

その他、コナー、コナー妹、コナー父母、エバン母、エバン友達二人が登場。揃って歌ウマでした。周囲のキャラは映画と少し変化し(正確には後発の映画が変えた)、映画は繊細な人々に思えたのが舞台版はハッキリ主張する人々になり(韓国役者だから?)

心理劇としての深みや面白さは映画版に軍配を感じました。特に一幕ラスト、全校生の前で弔意を語り、エバンを馬鹿にしていた生徒達が改心する緊張感と感動はエバン役者の一人芝居では少し荷が重いように思いました。尤も、崇高な主題ですし、私の不満は私の語学力のせいも大きいです。ごめんなさい。

終演後にソンギュさんの出待ちにも参加しました。凄い人気で、誕生日を祝うファンの大合唱の中、同じグループのメンバーが同乗する車で颯爽と去っていきました😀。








↓12名ですが3段目はswingの方々で出演されずでした。