劇団四季のアルプ最新号での八重沢真美さんのインタビュー記事がとても嬉しかったです。四季に復帰されてからの舞台は拝見できてないので、とても有り難く拝読しました。


 簡単な経歴と近況を語られておられます。「マンマ・ミーア」の読み合わ中に「真美さんのターニャは面白いおばさんになっていますよ」と指摘されたそうで、ご謙遜と自嘲気味に失敗談を紹介されている光景が目に浮かび微笑ましいです。

 四季の舞台を良く見ていた頃、八重沢さんの大ファンでした。奔放で、明るく、天衣無縫で、天真爛漫。バリバリのプリマドンナで、八重沢さんの華麗なダンスに心奪われました。

 真っ先に浮かぶのは「ハンス」のマダムロード。正に本物のプリマだからこその気高さで、アンデルセンが見惚れる説得力が半端なく、清楚で華麗なバレイの数々に私も夢中でした。

 「キャッツ」のヴィクトリアも素晴らしかったですよね。周囲を凛とさせる神々しさと高貴な感じで、スタイルも抜群ですし、月明かりの元でのソロシーンは完全に芸術でした。







 以前のアルプによると、ご本人は「ウエストサイド物語」のグラジェラが素に近いと語っておられます。活発で、にぎやかで、開放的。豪快で男前なダンスがカッコ良かったです。

 当時の四季で貴重だった現代的な雰囲気が活かされたのが「Mバタフライ」。女装した市村正親さんとの対比、オリエンタルな作劇の中での洗練された演技も楽しめました。

 ファミリーミュージカルに出られると作品にエンターテイメント性が倍加した感じで「王様の秘密」も可笑しかったし、「ジョン万次郎の夢」のボレロは感動で涙が止まらずでした。



 そして、何より私が大好きだったのは「コーラスライン」のキャシー。本当に感動しました。

 踊らせて私に、見て欲しいのダンス、心を燃やすものが私にはないのよ、私にミュージック、踊るチャンスが欲しい。激しくて、ダイナミックで、ひたむきで、切なく、哀しい。キャシーの心の叫びが一挙手一投足から感じられて、私は感動で泣き過ぎて、途中から舞台を正視できずでした。超絶技巧の連続だった八重沢さんのキャシーの映像、どこかに残ってないでしょうかね😀。



 
 コーラスラインについては、1990年に松山での地方公演で、当時のスター勢揃いの驚愕の配役で見た記憶があり、また、これについては改めて書き留めたいと思っています。30年前か~これを書きながら自分でも驚いてしまいました😀。

 冒頭のアルプによると、最近は旅公演等で訪れた先で車窓からの景色をゆっくり眺めるのが好きだそうで、本当に同感、共感です。劇団四季の一時代を築かれた偉大なお一人である八重沢さんの益々のご活躍が楽しみです。貴重な記事をありがとうございました。