エリザベート・ガラコンサート大阪千秋楽を見ました。無事な完走をおめでとうございます、そしておつかれさまでした。


梅芸先行で一次・二次ともに当選した時は人気は大丈夫かと少し不安もよぎった回でしたが全く杞憂で、実際の舞台は息をのむほどゴージャスで芝居としての深みに満ちて終始引き込まれました。


トートは登場順に彩輝さん、姿月さん、麻路さん。

先ずは彩輝さんは全てがゴージャス。豪華な装飾と相まって妖しさと毒のある美しさに目が離せずでした。歌も所作も濃厚で「ザ・宝塚のトート」に陶然となりました。姿月さんは歌に苦しさを感じつつ、その冷たい表情と鋭い視線は健在で客席のオペラグラスが一斉に上がるのも納得でした。そして麻路さんの滴り落ちるような濃い色気と妖艶な手指。凄いものを観た満足感で眼福の極みでした。


エリザベートは一幕が白羽さん、二幕が大鳥さん。

明日海さん、望海さん、夢咲さん、星風さんと、元男役や新公経験者のエリザ観劇が続いてきたので、このお二人の完成度はやはり別格。歌・芝居・佇まい全てが本公演でエリザを演じた元娘役トップの安定感に、ただただうっとりでした。白羽さんの変わらぬ美貌と毅然としたカッコ良さ、大鳥さんの「私が踊る時」を宝塚で初めて歌ったオリキャスの品格と輝き―どちらも見惚れ聞き惚れました。


フランツは稔さん、初風さん、和央さん。
稔さんの気品の中に垣間見えるエリザへの厳格な感じと、続く初風さんの驚くほどの冷徹さにハッとさせられ、役作りの深さを感じました。この回は初演ウィーン版を初めて見た時に感じた辛辣な空気が色濃くて懐かしくも刺激的でした。和央さんも熱演でしたが金髪ショートヘアに違和感がありもう少し空気を読んで欲しかったです。


ルキーニは一幕が湖月さん、二幕が霧矢さん。
お二人とも客席との距離感が絶妙で、軽やかに舞台を駆け巡りながら、確かな歌と滑舌で物語を牽引。トートとのアイコンタクトも的確で流石の芝居力でした。今回“全ルキーニが当たり”と言われるのも頷けました。私自身も全員をコンプリートできて感無量です。


ルドルフは香寿さんと凰稀さん。
香寿さんの「闇が広がる」を再び生で聴けたこと―それだけで胸が一杯になり、涙がこぼれました。生と死の狭間を彷徨うような、手を差しのべることすらためらわれるような、胸が苦しくなる危うい空気感はやはり唯一無二です。闇広以降が凰稀さんで、彼女の容姿もゴージャスそのもの、実に贅沢なキャスティングでした。


そして月影さんの少年ルドルフ。
30年ぶりの再見の喜びに加え、変わらぬ輝きの奇跡と確かな技量に感激しました。星組初演時の白城さんの後任が曖昧な中、少年ルドルフを演じる傍ら、新公エリザを射止めて見事に演じて、トップ娘役の道を切り開かれた、その努力の姿の記憶も蘇って胸熱でした。


ゾフィーの出雲さんとマックスの越乃さん。
結婚式の場面の2人の対立に迫力があり、特に越乃さんが娘を奪われた怒りを激しく描写、これほど共感したマックスは初めてでした。出雲さんの威厳と貫禄も流石で、エリザとの言い争いは白羽エリザの強さもあって容赦なく恐ろしいほどで凄い見応えでした。


マダム・ヴォルフの美穂さんは伴奏時から歓声が上がり、まさに“待ってました”の存在感。オリキャスの豪華さを存分に堪能させていただきました。ヴィンディッシュ嬢の小桜さんも巧みで、このお二人は雪組ポーの一族に出演なので、花組エリザには出ないのが勿体ない限りです。


アンサンブルの皆さまも全公演を支え続け、相手役に応じて演技や歌を変えている姿に、舞台人としての矜持を感じました。スタッフ、オーケストラの皆さまを含め、この上質な舞台を届けてくださった全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。


カーテンコールでは、小池先生がこの作品との出会いの幸せ、そして出演者・スタッフ・観客への感謝を語られ、その言葉の一つひとつが胸に沁みました。出雲さんへの温かな一言(実年齢がゾフィーの年齢に達したね😀)に、会場が和やかな笑いに包まれました。中村一徳先生も登壇され、作品への愛と初演に携わった先人への敬意を語られる姿に、この作品が大切に受け継がれてきた重みを改めて感じました。


多くの記憶と想いが重なり合う、まさに“祝祭”のような時間でした。この感動を胸に、次の名古屋公演のご成功を心よりお祈りしております。