2月12日 「姉妹」
私は、とある本を読んだことがあります。
『5.5』というタイトルの本です。
とても古い本でした。
その本の内容は、とても残酷でありながらも、幸福とは何なのかを考えさせられるような話でもありました。
主人公は、アカリという少女です。彼女には、妹が三人います。双子の妹のリンと、その下の妹のマリサ。末っ子は、ルミという少女。
楽しく暮らしていたのですが、”新世界”という次の時代への移り変わりに伴い、その平和に暮らしていた世界が一度解体してしまうという現象が起きてしまいます。
その事実が未来に起こると知ったアカリは、一人で何とかしようとします。
この本は、ファンタジー要素が多いので、魔法とかも内容に含まれていました。
確かアカリは、記憶を操る魔法が得意とかでした。
アカリは中盤、闇魔法で、自分の命と引き換えに、”新世界”の到来を防ぐ魔法を使うことを決意していました。
只、そんな魔法を使って”新世界”を防いだ所で、残された妹達や友人が悲しむとアカリは考えます。
そこで、彼女がした行動は、皆の記憶から自分という存在を消す、というものでした。
そうすれば、悲しまないと。
そして、彼女は闇魔法と記憶魔法を使い、”新世界”を食い止め、その世界の平和を守ることを決断し、それを実行に移した日。
彼女は、一人の少年に現場を目撃されてしまいます。その少年は、彼女の友人でした。
最近仲良くなった友人。
彼は、事情を聞き、彼女の行動を止めました。
ですが、もう時間が無い。
もうすぐ”新世界”が起きてしまう。
彼女は彼の反対の言葉を無視し、闇魔法と記憶魔法を使いました。
ここで、アカリの存在は完全に皆から忘れ去られます。
その筈でした。
皆から忘れられたくない。皆から自分という存在と、その思い出が消えてしまうことが怖い。
それは紛れもなく、彼女の本心でした。
彼女は、記憶魔法を”全員”にかけることが出来ませんでした。
代わりに彼女がこの世界に残した一人の記憶。
それが、彼女の行動を最後まで止めていた彼だったんです。
その後は、悲劇の物語でした。
読んでいて、胸が痛くなりました。
皆がアカリの存在を忘れているなか、彼だけはそれを覚えていました。ついでに、アカリ経由で仲良くなった、アカリの妹達も、少年のことを覚えていませんでした。
彼はとても苦しみました。
大事にしていた人達には、一人だけ欠けている。その存在を自分だけが知っている。
何も知らずに楽しそうにしている友人やアカリの妹達。
彼は、段々歪んでいきました。
怒りと悲しみと苦しみが、彼を蝕んでいきました。
彼は、ついに壊れてしまい、その世界を壊そうとしてしまいます。
その”世界を壊す”という行為は、”新世界を起こす”という行為と同じ意味を表していました。
彼は自ら”新世界”を起こしてしまいました。
彼の魔法は、強力なもので、”人の持つ意思を殺すこと、また人の持つ意思を作り替えること”を可能にしてしまう魔法でした。
そんな彼の魔法は強大だった故、彼は人々に”王”と呼ばれる地位についていました。
そして、彼が”新世界を起こす”時。
彼を止めに来たのは、アカリの妹達でした。
酷い話ですが、彼は彼女等の両親を殺していたのです。
それを怒り、リンが彼に決闘を挑みます。
ですが、彼女のその意思も殺され、逆にその”怒りの意思”を妹のマリサに仕向けました。
そのように意思を王に作り替えられ、リンはマリサに決闘を挑んでしまいます。
マリサは、突然の事で混乱し、禁忌魔法でリンを殺してしまいました。
彼女も悪意なんてありませんでした。
もっと良い立ち回りなんていくらでもあったでしょう。
ですが、マリサはそのショックから立ち直れませんでした。
その場面を王に見られ、王はマリサの意思を作り替えました。
彼は、マリサを民衆へと向ける殺人兵器にしてしまったんです。
マリサは、自我を失い、人々を沢山殺してしまいました。
アカリはそんなことを望んでいませんでした。
一番末っ子の妹、ルミは、鏡の魔法を使う少女でした。
”鏡の魔法から誰かの心を写す”そんな魔法を使った彼女が見たのは、王とアカリという二人の悲劇の物語とその真実でした。
それをルミが知った頃、物語は終盤でした。
殺人兵器と化していたマリサを止めたのは、異世界から来た一人の少年でした。
また、その彼と一緒に異世界から来た少女がもう一人居ました。
何とその少女は未来のマリサさんでした。
その未来から来たマリサさんは、”新世界”によって完全に滅亡した自分等の世界を知っていると。
彼女はそれを実際に体験したから。
だから、そんなことにならない為、マリサさんとその少年は、力を貸しに来たのです。
少年の使う魔法は、”音”を使う魔法でした。
超音波を操り、自由自在に出来るらしいです。
彼は、闇の底に居たこちらの世界のマリサを助け、王に決闘を挑みました。
まだ生き残っていた、こちらの世界の周りの友人達や、異世界から一緒に来てくれた、異世界のマリサさんの友人達と共に王と戦ったのです。
中々苦戦しましたが、最後は王にとどめをさせる所まできました。
少年が王を殺す時、それを止める少女が居ました。
それが、ルミです。
ルミは、鏡の魔法からアカリを写し出し、王と話す時間をもうけました。
死んでしまっていたアカリと話すことが出来た時、やっと王の戦意は無くなりました。
元は誰も悪くなんてありませんでした。
皆を守りたいというアカリの気持ちと、最後までアカリのことを大切に思っていた王の気持ち、友人達や姉妹達を”新世界”から守りたいというマリサや異世界から来た少年達の気持ち。
皆がそれぞれに信念を抱えて、それを貫いて戦っていただけなんです。
では、その信念が報われなければ、彼等は幸福ではないのでしょうか。
中盤の彼等の気持ちは、誰かを守りたいという気持ち以外バラバラです。
その場面では、全員の気持ちが報われることは難しいでしょう。
ですが、最後はアカリと話せた王も、もう”新世界を起こす”ことはありませんでした。異世界から来た皆も目的が達成でき、元の世界に帰ります。マリサは、ルミに失っていた記憶を鏡から写して見せてもらい、涙します。
私は、この本の登場人物達の気持ちとその行動を読んで、沢山のことを考えさせられました。
私は読書が趣味なんですが、この本は今まで読んだ本の中でも印象に残っていました。
なので、ブログに書いてみました。
この本にはまだ続きがあります。
その続きの話が、私の人生を大きく左右したものなんです。なので、また次のブログにでも書いていきます。
ここまで、読んで下さりありがとうございました。
ほぼ、読書感想文みたいになってしまいましたが、次の次のブログからは、もっと自分の日常の事や、ブログの説明欄に記載してある、タルパ的存在の話もしていきたいと思っています。
時々、このような印象に残った本の話もすると思います。
それでは、また次のブログで。