「なぜか売れるの公式」を卓球経営に活かす。
今日は、『なぜか売れるの公式』(理央周著)を卓球場経営に置き換えて考えてみたいと思います。
この本のテーマは、「売る」のではなく「売れる」ようにするということです。
つまり、広告や営業で無理に売るのではなく、お客様が「ここに行きたい」「ここで習いたい」と自然に思う仕組みをつくることです。卓球場経営にも、そのまま当てはめることができます。
1、卓球場経営も「売れる仕組み」をつくる
卓球場の経営というと、生徒を増やしたい、レッスンを増やしたい、売上を上げたい、SNSで宣伝したい、イベントを開催したいと考えがちです。
しかし、その前に考えるべきことがあります。
それが①何を、②誰に、③どうやっての3つです。
①「何を」→②「誰に」→③「どうやって」。この順番が大切です。
この順番を逆にしてはいけません。「とりあえずSNSで宣伝しよう」ではなく、まず「自分の卓球場は何を提供する場所なのか」を考えることから始まります。
①「何を」提供する卓球場なのか?
卓球場が提供しているものは、単純に考えれば、「卓球台」「レッスン」「練習場所」「大会」「卓球用品」などです。
しかし、お客様はそれだけにお金を払っているのでしょうか?
例えば、ジュニアの卓球教室なら「卓球を教える」だけではありません。卓球が上手くなる、試合で勝てるようになる、子どもが自信を持つ、礼儀や挨拶が身につく、努力する習慣が身につく、仲間ができる、子どもの成長を親が実感できる。こうしたものも「価値」です。
つまり、お客様は「卓球レッスン」という機能ではなく、その先にある「価値」を買っているということです。
●「安い卓球場」ではなく「選ばれる卓球場」
料金を下げれば、一時的にはお客様が増えるかもしれません。しかし、「安いから行く」という関係では、もっと安いところができれば移ってしまいます。一方、「ここだから行きたい」と思ってもらえれば、価格だけでは比較されません。
これが卓球場の「強み=価値」になります。
②「誰に」来てもらいたいのか?
次に考えるのが「誰に」です。「卓球をする人なら誰でも来てください」では、少し広すぎます。
例えば、「ジュニア育成に力を入れる卓球場」
なら、小学生・中学生と、その保護者が重要な顧客になります。
一方、「健康卓球・生涯卓球」なら、50代、60代、70代の卓球愛好者が中心になります。
また、「試合で勝ちたい人のための卓球場」なら、大会出場を目指す中級者・上級者がターゲットになります。
「誰でもいい」ではなく、「一番喜んでもらえる人は誰なのか?」を考えることが大切です。
●リピーターを「ファン」にする
卓球場経営では、新規のお客様を集めることも大切です。しかし、それ以上に重要なのが、「また来たい」と思ってもらうこと。さらにその先には「この卓球場が好き」があります。
そして最終的には、「人に紹介したい」というファンになってもらう。ここまで来ると、広告に頼らなくても口コミが生まれます。
例えば、「うちの子、この卓球場に通ってから試合で勝てるようになった」「コーチが子どものことをよく見てくれる」「ここに来ると卓球仲間に会える」という体験が口コミになります。これこそ「売れる仕組み」です。
③「どうやって」伝えるのか?
「何を」と「誰に」が決まったら、最後に「どうやって」です。
ここで、ホームページ、ブログ、Instagram、
X、LINE、YouTube、チラシ、口コミ、イベントなどを活用します。
ただし、重要なのは、「何を伝えるか」が先で、「どの媒体を使うか」は後ということです。
例えば、「ジュニアの成長を応援する卓球場」なら、単に「ジュニア教室生徒募集中!」と宣伝するだけではなく、子どもが初めて試合に勝った、練習でできなかったことができるようになった、挨拶ができるようになった、大会に挑戦した、仲間と一緒に頑張ったといった「成長の物語」を発信する。すると、単なる「卓球教室の広告」ではなくなります。
●「いらっしゃいませ」より「こんにちは」
まず、「こんにちは!」から始める。そして「最近どうですか?」「試合どうでした?」「バックハンド、かなり良くなりましたね」「次はこの練習をやってみましょう」と、お客様との関係をつくっていく。
卓球場は、特に人と人とのつながりが強いビジネスです。だからこそ、「売る」より「関係をつくる」。この発想が重要になります。
●顧客目線で卓球場を考える
ここで登場するのが、3C分析です。
・Customer=顧客
お客様は何を求めているのか?
・Competitor=競合
近くの卓球場やスポーツ施設は何を提供しているのか?
・Company=自社
自分の卓球場だからこそ提供できるものは何か?
この3つを考えます。
「どこなら自分たちは勝負できるのか?」を考えることが重要です。
●「どこで戦うか」を決める
例えば、価格競争で大手や低価格店と競争するのは大変です。
しかし、「ジュニア育成」「初心者専門」「シニアの健康卓球」「大会で勝つための個人レッスン」
「卓球を楽しむコミュニティ」など、顧客のニーズを細分化すると、違う景色が見えてきます。
つまり、「卓球場」という大きな市場の中で、自分たちはどこで戦うのか?を決めるわけです。
●SWOT分析で「自分たちの強み」を見つける
もう一つ有効なのがSWOT分析です。
・Strength=強み
何が得意なのか?
・Weakness=弱み
何が苦手なのか?
・Opportunity=機会
これから伸びそうな市場は何か?
・Threat=脅威
何が自分たちの経営を脅かすのか?
例えば卓球場なら、
強み(指導力、店主・コーチの人柄、ジュニア育成、地域とのつながり、試合経験、アットホームな雰囲気)
弱み(卓球台の数、店舗スペース、人手不足、営業時間、宣伝力)などが考えられます。
弱みを全部克服する必要はありません。むしろ、「自分たちの強みを、どうやって顧客価値に変えるか?」が重要です。
●強い卓球場には「個性」がある
長く続いている卓球場には、何となく共通するものがあります。それは、「あの卓球場といえば○○」というイメージです。
例えば、「ジュニア育成なら○○」「初心者なら○○」「楽しく卓球するなら○○」「試合で勝ちたいなら○○」という存在です。これは企業の「ブランド」と同じです。
卓球場も、「何でもやっています」ではなく「○○なら、この卓球場」を目指すことが大切です。
●最後は「学んで、実践する」
大切なのは、学ぶ→考える→小さく試す→結果を見る→改善することです。
成果を上げる人の共通点として、行動に移すのが速い、素直、勉強熱心という点が挙げられています。卓球場経営も同じです。いきなり大きな改革をする必要はありません。
例えば、「今月はジュニアの保護者向けに、子どもの成長を伝えるブログを3本書いてみよう」「初心者向けの新しい教室を小さく試してみよう」「既存のお客様に、何が一番嬉しいか聞いてみよう」というところから始めればいいのです。
●売る卓球場」から「選ばれる卓球場」へ
卓球場経営について考えてみると、結局、一番大切なのは、「どうやってお客様を集めるか?」ではなく、「お客様から選ばれる卓球場とは何か?」ということなのだと思います。
そして、①何を提供するのか→②誰に喜んでもらうのか→③どうやって伝えるのか。この順番で考える。
さらに、顧客目線 → 強みを見つける → 個性をつくる → 小さく実践する → 改善するこれを繰り返していく。
卓球場経営においても、「売る」のではなく「売れる」、「集める」のではなく「集まる」、「広告する」のではなく「紹介したくなる」。そんな卓球場をつくることが、これからの経営にとって重要です。

