「新100円のコーラを1000円で売る方法」(永井孝尚著)を参考に卓球の講習会費やレッスン料金を考えてみます。
『新100円のコーラを1000円で売る方法』の核心の一つは、「安く提供する」のではなく、顧客が感じる価値を高めることで価格競争から抜けることです。
これを卓球に置き換えると、「2時間3,000円の卓球教室」を売るのではなく、「試合で1点多く取れるようになる2時間」を売る。という発想です。
① 「卓球の時間」ではなく「卓球の成果」を売る
例えば、
普通の講習会2時間 3,000円
基本練習、課題練習、ゲーム
だと、顧客はどうしても「他の卓球教室より高いか安いか」で比較します。
一方、価値を明確にした講習会
「試合で迷わないための前陣速攻講習」
・自分の得点パターンを3つ作る、相手の弱点の見つけ方、レシーブから3球目攻撃、試合中の修正方法、最後に実戦で検証となれば、「3,000円の卓球練習」ではなく、「自分の試合を変えるための3,000円」になります。ここが「100円のコーラ」と「1000円のコーラ」の違いです。
② とある「15,000円講習会」も、この視点で見ると評価が変わります
とある講習会は、10:00~15:00 15,000円でした。単純計算なら、1時間3,000円です。
しかも30人規模なので、一般的な卓球講習として見ると「高い」と感じます。
しかし、主催者が売っているものを、「5時間の卓球練習」ではなく、「試合で迷わないための考え方を身につける5時間」と定義しているなら価格の意味が変わります。
実際、案内には、得点・失点から何を読み取るか、相手の変化にどう対応するか、自分の得意を活かした試合の組み立て、主導権の握り方、身体への向き合い方、自己観察などが入っています。
つまり、「技術」ではなく「試合力」という価値を売ろうとしている。
これはマーケティング的にはかなり正しい方向です。
(とある講習会)
③ ただし「価値を高く言えば高く売れる」わけではない
ここが非常に重要です。
例えば、
「日本トップレベルの講師が教えます!」
「5時間のスペシャル講習です!」
「通常3万円相当です!」
と宣伝して15,000円にしても、顧客が、「で、自分は何ができるようになるの?」と思ったら価値は上がりません。
したがって卓球の場合、「講師の価値」ではなく「受講者の変化」を明確にする必要があります。
例えば、
❌
「一流コーチによるスペシャル講習会」より、
⭕
「試合になると何をすればいいかわからなくなる人へ。5時間で『自分の得点パターン』を作る講習会」のほうが価値が伝わります。
④ 実は「15,000円講習会」の弱点も見えてきます
ここが今回のテーマで一番面白いところです。
この講習会は、「15,000円でも参加したいと思わせる価値」を作ろうとしています。
方向性は正しい。しかし、私ならさらに一歩進めます。
例えば、
15,000円「試合で迷わない卓球・完全攻略5時間」だけではなく、参加者に
・自分の得点パターン3つ
・自分の失点パターン3つ
・得意サービス
・レシーブの基本戦術
・3球目パターン
・試合中の修正ポイント
を書いた「自分専用・試合戦略シート」を持って帰ってもらいます。
さらに、
講習会終了後30日間、LINE等で質問1回可能
などを付ける。
すると、「5時間15,000円」ではなく、「自分専用の試合戦略を作ってもらうサービス」になります。
これなら15,000円という価格にも、かなり意味が出てきます。
⑤「100円のコーラ」を卓球に置き換えると
私はこう整理します。
・100円の卓球
「1時間卓球を教えます」
・300円の卓球
「フォア打ちを教えます」
・1,000円の卓球
「フォアドライブを上達させます」
・3,000円の卓球
「あなたの苦手なレシーブを改善します」
・5,000円の卓球
「あなたの得点パターンを作ります」
・10,000円の卓球
「あなたの試合を分析し、勝つための戦術を一緒に作ります」
・15,000円の卓球
「あなた専用の卓球を設計し、実戦で使えるところまで伴走します」
つまり、
技術 → 課題解決 → 成果 → 自分専用化 → 継続支援と進むほど、価格を上げる根拠ができます。
そして面白いことに、先ほどの15,000円講習会についても、「5時間で15,000円は高いか?」という問いから、「15,000円払ってでも手に入れたい価値が明確か?」という問いに変わります。
これこそ、永井孝尚さんの本を卓球ビジネスに応用する際の、一番重要な視点だと思います。

