午後遅くに大阪で打合せがあるから
一杯ひっかけて帰るとクマオ。
「遅くなる?」と尋ねると
「いやいや、そんなつもりはないし
もしかしたらどこにも寄らずに帰るかも」
なんて言っていたが、
酒飲みな上に
ちょっと自由な時間があると
何かと良からぬことを企てる傾向が
今のクマオにもしっかりあることは
承知している。
遅くならないというのは本当だとしても
この暑さを耐え忍んだ仕事終わりに
酒飲み男が
ビールの一杯もひっかけることなく
帰路に就くとはとても思えない。
せっかく電車で行ったのに、だ。
ところが夕方5時過ぎ、
「いつも通りの時間に帰ります」と
ラインがあった。
珍しいこともあるもんだと
思いながら「了解」と返信。
返信してから
ふと、
最寄り駅までお迎えに行ってあげようかと
思い立ち、
「お迎えは?」と追いラインすると
たった今しがたのことなのに既読にならず
1時間後ぐらいに
「○○駅からタクシーで帰ります」と
何時着の電車とも言わない返信。
そのあいまいな返事に少し思うことが
出てくる。
最近クマオは飲み会だと言うと
この○○駅界隈ばかりだ。
そしていつもかなり遅い時間まで
飲んでいる。
そして私の女のカンが、
その○○駅界隈に何かあるのではと
働いている。
気になる女性がいるお店があるのか、
それとも○○駅近くなら会いやすい
女性がいるのか、そのへんのことは
よくわからないが
何となくそこに女性の影を感じてしまう。
とは言え
証拠もないので
これは私の妄想の域を超える話ではないし、
いずれにしてもまだ事は起きていないというのは
クマオの様子から確信できる。
・・・・・・・・
さて
クマオは言葉通りに
8時にもならない早い時間に帰宅した。
帰ってくるなり手を挙げて
「ちょっと梅田でひっかけて
参りました~」とふざけるクマオ。
そんなクマオに
やっぱり微妙な違和感を覚えたが
「お疲れ様。
暑かったんちゃう?
お風呂入れてるから
入ってきたら」と促した。
「おパンツないからええわ~」と言う
クマオに、
「おパンツあるよ~」と言うと、
「じゃあ入ってくる」と
ちょっと甘えた感じで言いながら
上機嫌でお風呂に向かうクマオの
後ろ姿を目で追いながら
自分との温度差を感じた。
この形は可愛い。