先週のいつだったか、
真夜中にまたピンが歩けなくなった。
あの2月の突然歩けなくなった夜と
全く同じ状態だ。
ゴロンと横に倒れて
悲し気な表情をしている。
眠い目をこすりながら
ピンの足をさすってマッサージを
すること数分。
それからピンを立たせてみたが、
後ろ足がぐにゃぐにゃで
全く立つことができない。
先日リンパマッサージに行ったばかり
なのに。
いよいよもう限界がきたのか・・・。
どうしよう・・・。
絶望感に見舞われる。
ふと先生の言葉を思い出した。
「湿気が体にこもると
特にピンくんはハイシニアなので
身体に不調をきたします」
暑くはなかったが、
とりあえずエアコンをつけた。
それから足ではなく、
顔まわりと耳の後ろをマッサージした。
確かこのあたりを流すのが効果的だと
言われていたことを思い出した。
祈るような気持ちで
ピンの顔と耳の後ろをさすった。
ピンも静かに身を任せている。
深夜3時前。
気付けばカクンと寝落ちしながらも
さすった。
何分ぐらいさすっただろう、
恐る恐る立たせてみると、
今度は立った。
そして立った瞬間に
もうピンは歩き出した。
グラグラしながらも
前足を使って何とか歩く。
寝室のドアを開けると、
グラグラヨロヨロしながら
部屋を出て行き、
廊下を進んで行く。
よかった・・・。
歩きながら
何度も私の顔を振り返り見上げるピン。
ありがとうと言っているのか。
うんうん、
ピンちゃん、すごいなぁ。
明るく声をかけた。
冷や汗かいた真夜中の出来事。
これは昨日の夕方。
霧雨の中
どこまでも歩こうとするピン。
「ピンくんはとても気が強くて
がんばりやさんですね。
もうあきらめて寝たきりになって
しまう子も少なくないんですよ」
先日の帰り際の先生の言葉が
改めて響く。
そうだ。
ピンはがんばりやさんなんだ。
だからこれからもきっと
がんばってくれるはずだと
勇気が出てきた。
ココグルメにしてから
ごはんの用意をし始めると
ぐるぐると歩き回って
ソワソワしだす。
