「ただ穏やかに暮らしたいだけなのに」
と思うことがよくあった。
（今もまだ）
クマオに対する不信感や疑惑を
感じるたびにそう思っていた。
どうしてクマオはいつも私を
不安の沼に落とすのだろうと。
だけど本当にそうなのだろうか。
私が感じている不安の正体は、
本当はいつも目に見えない。
ある方から教わった。
「目に見えないから
それが何だかよくわからなくて
怖くて不気味になる。
（文字通り）
闇雲に振り回されて
わけもわからず問題や苦しみを
大きくしてしまっている」。
ハッとさせられた。
そう言えばそうだ。
もともとクマオはあれこれと
自分の気持ちを話す人ではない。
そんな人だと知りながら
そんな人の言葉の端々に
声のトーンに
ほんのわずかな一瞬の目の動きに
私は意識を持っていかれ、
見えない正体を探ろうとばかりして
疲弊していた。
言うならいつも問題提起をしていたのは
この私で、
もしかしたらあの底知れぬ深みの沼にさえ
自分から落ちていっていたのかもしれない。
ここ数日、
私の心はこれまでにないほどに
空っぽになっている。
そんな日常だからこそ
穏やかなのだと改めて気づいた。
先日外食に出かけた際、
そのお店に居合わせた女性たち、
私も含めて全員
こういうウォッシュドデニム。
今流行っているのか。
