ぼくらの なまえは ぐりと ぐら
このよで いちばん すきなのは
おりょうりすること たべること
ぐり ぐら ぐり ぐら

ぐりとぐらの歌です。
わたしは、てっきりそういうものだと思ってましたが、調べてみると、だいたい半分の人はお料理なんて好きじゃないんですね。
負担、面倒、疲れる、避けたい。
なんでもそうか。
車の運転をして、リフレッシュする人もいれば、疲れるだけの人もいる。
わたしは、甘いものが苦手。
手土産で甘いものを買うのが苦行です。
心臓が苦しくなって、変な汗がでます。
甘いものが、好きな人ならきっと選ぶだけでも楽しいことでしょう。
わたしは明らかに料理が好き。
毎日したい。出来るだけ手間をかけたい。下準備を夜にして、次の日をワクワクしながら眠りたい。片付けは流石に面倒だけど。
舌は普通。神の舌は持っていません。
昔、美食を貪っていた時に、白身魚の刺身5種盛りを食べました。
ヒラメ、スズキ、ホウボウ、マダイ、あとは忘れたけど。
それぞれ違います。違いますが、どれが好きとかあまりない。
だいたい、同じ。食は文化だから、単純に味を比べても、あまり意味はないのかも?
その時に、単純に味を求めるのは、もうやめようと熱が冷めたのを覚えています。
ハレとケがあるので、誰かと時間を過ごしたり、目的がある時は色んなお店を選びたいけど、味だけを求めなくなりましたね。
味は、結構、主観的。同じものでも、甘いものを食べてから食べるのと、塩辛いものを食べてからたべるのでは感じ方が違います。
体調や疲れ具合、お腹の空き具合、喉の渇きによっても。
例えば、自家栽培したトマトのサラダ、自分で釣った魚、春の朝に散歩がてら海岸で拾った地物のメカブなんてどうでしょう。
または、幸せな記憶と結びついた食べ物は?
もちろん、調理の技はプロの足元にも及ばないんですが。
人それぞれ、自分をケアするものがあるんですね。



今日の千夜一夜


Qちゃんの話8


登場人物

Qちゃん:星無しのテイマー。王都で自分が本当に星無しか確かめる旅をしている。

ブルー:Qちゃんが仲間にした青い芋虫


Qちゃんは卵の殻をむしゃむしゃ食べた。ブルーも身体に元気が戻っている。

「ピィピィ」

卵から生まれたヒナは相変わらず炎と遊んでいる。火龍なのかな。火がとにかく大好きみたいだ。

そこに人影が現れた。

「これは珍しい。レッドドラゴンのヒナが人に懐いておる」

Tシャツ短パンビーサンのじーさん。

ブルーが急いでQちゃんの袋に逃げ込む。

ヒナが地面を這って、Qちゃんの後ろに隠れる。

「ふぁっふぁっ!テイムしているようじゃの。ヒナとはいえ、レッドドラゴンと契約するなんて、大したもんじゃ!」

「あのー、どなたですか?」

「ん?わしか?通りすがりの、Tシャツ短パンビーサンのじーさんじゃよ」

そのまんまだ。あれ?でももしかして、前世は同じ世界にいたのかな。Tシャツとかビーサンってこの世界にあるのかな。

「どうしてここに?」

「森を散歩してたら、焚き火の煙がみえたからのう。火事にならないか、わしの森を見回りにきたんじゃ」

「え?ここおじーさんの森なの?」

「かっかっか。わしが勝手にそう思っているだけじゃ!」

適当だ、この人。

「火は消しておきます」

「レッドドラゴンの卵の孵し方を知っておったのか?」

「いや、お腹がすいて、焼いて食べようと」

「なんと!食うとな!ふぁっふぁっ!こりゃ傑作じゃ」

Qちゃんのお腹がグーとなった。

「卵の殻を食べただけじゃ足りなかったみたい」

「殻を食ったのか?!」

「うん」

「そうか。まぁいい。わしのパンをやろうか」

Tシャツ短パンビーサンのじーさんがフランスパンみたいな長いパンをヒョイと出した。

Qちゃんは思わず手を伸ばす。

「タダとは言っとらん」

「え?でも、なにももってないよ」

「この先に、わしが校長をしとる武芸の学校がある。そこでバトルトーナメントをやる。そこにでろ」

「出れば、パンをくれるの?」

「そうじゃ」

そう言いながらTシャツ短パンビーサンのじーさんはパンを半分食べてしまった。

「あぁ、なくなっちゃう」

「出るか?」

「出る!」

「よし、パンをやろう」

Qちゃんはパンを半分を三つにわけて、ブルーとヒナに分けた。

「ピィピィ!」

ヒナも喜んでパンを食べる。

「お前にも名前をつけなくちゃね。そうだな」

レッドドラゴンか。

「お前はレッドだ」

仲間には色の名前をつけていこう。

「ピィ!」

Tシャツ短パンビーサンのじーさんは、待っていると告げて風のようにどこかに行ってしまった。