きっかけは美術館に
そっと置かれてた1枚のはがき。

 
これ、写真じゃないです。油彩です。
たんにリアルなだけではない
不思議な雰囲気に引き込まれます。

それはとある広島在住の女性画家の方の
個展のお知らせでした。
略歴には、武蔵野美術大学を
ご卒業され、何度も二紀展に入選されてます。

(いくつくらいの方なんだろう)

そう思いながら

とにかく、ぜひ実物をみてみたいなあと
この週末に、
ギャラリー兼カフェへお邪魔してみました。
ここ、前から気になってたんだよなあ。


「ようこそ^^」

木のぬくもりをかんじる
雰囲気のよいカフェで、
たまたま、作家さんご本人が在廊されてまして、
優しい笑顔で迎えてくださいました。

(すみません。ワシが身バレするので
作家さんのお名前はKさんと
させてくださいね)

この絵は幼いころのお嬢さんなんだそうです。

「私にも娘がいるんですよ。」

そこから見事な作品の前に
ワシにいろいろな話をしてくださいまして..

あとで帰宅してから、この方が
めちゃくちゃご活躍されてる
有名な方だと知るのですが
ワシってば、初対面の方に図々しく
めっちゃおしゃべり。

なんと同じ年でした。

ワシも学生時代は油彩をしてたこと、
でも結婚して..絵が描けなくなって
離婚して、小さな娘と島根に戻り
最近またほそぼそと再開したんです。
お金がないから水彩ですけど。って話すとKさんは


「私は子どもが生まれてすぐ、
主人を亡くしたんです。」


それからは、実家に戻って2人の子育てに
仕事に必死だったと。
でも30代半ばでふと、
このままでいいのかなって
それでまた絵を描こうと思ったのだと。
活動を再開されていきなり二紀展へ
入選されたのが、上の作品なんだそうです。

とても丁寧に優しく
言葉を選びながら話してくださいました。

そして

6年前に息子さんも
亡くされたのだと....

ワシ、もう絶句してしまいました。

でもね、柔らかにこうおっしゃいました。

「皆さんが思うほど、悲壮感はないのです。
きっとふたりの死にも意味があるのだと
今は思えるようになったので。」


芸術の天賦の才と引きかえにするには
あまりにその代償は大きいのでは?
ワシは心が震える思いでした。


精緻な筆致で描かれた
猫や空、静物や花...
それらはとてもやさしくて。




帰り際、
「7月に広島の三越で個展やるんです
良かったらぜひいらしてください。」
っておっしゃっていただいきます。
あー県庁の前ですか?って聞いたらいえいえ
三越は八丁堀っていうところの...

ワシ「ああ、八丁堀は知ってます。
高3の夏休みYMCA
予備校へデッサンに通いました」

Kさん「ええ?私も高1~高3まで
夏休みはそこでデッサンしてましたびっくり

「私たち、会ってますね。」
「会ってますね」

あー、異様に石膏デッサンのうまい女の子覚えてるわ。
やっぱ都会は違うなあと思ったもん。
偶然にもほどがあるよね。


画集にサインをくださいと
お願いすると、
快く応じてくださいました。


「きっとまた、
お会いできるような気がします。」

そうおっしゃっていただきました。

私もです。

でも三越は緊張しちゃうなきっと。

 
■本日もご訪問ありがとうございました■

 

 
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