気象系の赤×青さんの素人妄想BL小説です
この回…
翔くんの幼馴染キャラ若葉ちゃんが登場します♡
この子は…21話で登場してます♪
Side S
ジリジリと肌を照り付ける
真夏の太陽を浴びて…
ボロボロになった
ランドセルと一緒に
デッカな荷物を抱えて歩く帰り道
「…ついッ………ぁ…つ…い……」
あまりの暑さに
もう…我慢の限界…
「あっついッ!!
暑すぎんだよッ!!!!
智さんはどこにいんだよぉ〜〜〜!!!!!」
暑さと共に…
頭の中を大きく占領するのは
智さん…
智さんッ///
智さんッ♡
あの日起こったことは…
夢だったのか…?
…もしかしたら…智さんって…
*°・*。天使ぃ?。*・°*
…なぁ〜んて……///
幻想を抱いてしまうほど…
あの日以降、
全く出逢うことのない気になる存在に
なんだか自分だけが
会えなくて…淋しいって…//…
思っているのかと…考えを巡らせると…
初めて解く数式みたいに、
気になって気になって……
答えが見つかるまで
必死になって探してしまうような…
常に頭から離れない存在になっていた
数式なら答えが必ず見つかるのに…
智さんとのことは…
好きあうって…
どういうことで…
どこに答えが載ってるのか
さっぱりわからない…//…
「…ゔぅ…会いたいよぉ〜…」
解けない答えに
…悔しさが増してきて…//…
「智さんッ!智さんッ!智さ〜ん!!早く会いたいんですけどぉ〜〜〜〜〜!!!!!」
ありったけの文句を、
もう一度…
堂々と居座り続ける
憎っくき太陽に向かって叫んだ
ゴンッ //
「いってぇ〜〜〜ッ!?」
[煩〜い!!
煩い煩い煩い煩〜い!!
アンタが叫んだら余計暑くなるでしょ〜!]
「若葉ッ//…お前こそ煩せーよッ//」
一学期最終日
机下の引き出しと共に
沢山の荷物を抱えて猛暑の中の帰宅なんて
辛すぎるだろッ⁈
[あ〜んもう!!荷物重すぎッ!!
あ、翔持ってぇ〜♡]
しかも…
高学年になって気がついた…
ドシッ ///
「ゔをぉッ!?//」
何故、引き出しを持ち帰るのか…
…と言う謎を…
「若葉ッ!!ずるいぞー!!
自分の荷物くらい自分で持てよッ!!!」
長期休みに入る時…
何故かコイツの
荷物持ちをする事になってるし…
[あぁ〜楽ぅ〜♪
あ、明日から宿題教えてよね〜
あなた頼みなんだから♪]
「ゔげぇ〜//…やだよぉ〜…
お前、何度も同じ事聞いてくるから
教えるの面倒なんだよなぁ〜!!」
まぁ…
こんな文句を垂れても…
結局は毎回断りきれず、
他、数人のクラスの奴ら引き連れて
勉強会なんてのは名ばかりの
女子会が始まるんだもんな…//…
自分家なのに居心地の悪さったら……
ふゎぁ
この町の小・中学校は
道を挟んで隣り合わせに建てられている
「…………」
その通りの先の先から…
今…確かに…
鼻を掠めたよく知る香りに
[…翔?…行くよ〜?]
間違いない…
今日は来てたんだ…//…
「若葉悪いッ!
…後は任せたッ//」
ドスッ ///
[ゔぇッ//ちょッちょっと!翔!?]
俺の引き出しの上に重ねて置かれた
若葉の引き出しだけを
悠長に外して返してる場合じゃないッ//
細いくせに…
俺よりも身長が高くて、
実家のラーメン屋の手伝いを
毎日やってるとかで…
自慢の上腕二頭筋を
いつも見せられてるからな…
若葉なら大丈夫だろうと一瞬で判断し
コイツの両手へ
2人分の荷物が入った引き出しを
そのまま強引に預けて走り出した…
「今度、取り行くからッ!」
[…は!?えッ!?
私が翔の持って帰れってのッ!?]
「悪い!助かった♪じゃッ!!」
[ちょっと待ちなさいよッ!翔〜……
若葉が納得いかず
文句を言ってるのは分かってる
でもッ…//…
自分の勘が正しいなら…
絶対に会えるチャンス
なんだって…
「はぁあッ//…はぁッはぁッ//
あちぃッ//…今日こそは…ハァ…絶対ッ」
たった3つの差
なのに…
属する場所が違うだけで
こうも会えないものなのかと……
あの雨の日以降、
毎日探し回っても辿り着けなかった
∴⁂ 甘く優しい香りに ⁂∴
俺の脳が
全力で走れ_と
命令してる
「はぁあッ…ッ…いたぁああッ///」
やっぱり…ブカブカのまま…
可愛くて綺麗な容姿には
どこか不釣り合いな
男子用の制服に着せられて……
ふわふわの毛先を靡かせた後ろ姿に
「智さんッ!!」
(ん?…ぁ♡…しょッ…ええ!?///)
…あッ//ヤバいッ…//…
止まんないッ!?
「とっッ飛び込みますッ!!!!!」
(…へッ!?…もぉ〜♡//)
咄嗟の声かけに
なんとか一瞬で察知してくれて…
ぼふッ//ふゎん♡
広げられた両手に向かって
飛び込んだ…
「智さんッ♡」
グリッ ///
(んぁああッ⁈///)
ドサッ ///
やっぱり…
この人以上の人なんて
現れるわけないんだ…
(ゔぅぅッ……!?…しょお!?
怪我は!?怪我はない?)
5年間使ったランドセルを
初めて頼もしい存在に感じた…
「やっと会えたねッ///智さんッ♡」
(…は?…ねぇ!怪我は!?)
俺の頭を守るように
後頭部には…
智さんの手を添えてくれて
ランドセルをクッション代わりに
2人して地面へ倒れ込んだ
「ずっと探してたんだよッ!!どこに居たの?お家にも誰も居なくて……心配してッ…
(それよりも怪我は!?痛むところはないの⁈
お願い…ちゃんと答えてッ//)
俺の声を掻き消すように
眉間に皺寄せて…
とても必死そうな顔して
瞳を覗き込まれて…///
こんな時でも……
初めて見る表情に…嬉しくなって…//
「……綺麗ッ /// 」
(…はッ!?……しょお?)
「怒った顔…凄く綺麗!!」
今の状況とか…
周りのことなんか
全部、頭からすっぽ抜けて…
素直な感想が口から滑り出た
(…ッ///……こらッ!!!)
ゴンッ ///
「いでッ!?
ひッ…酷いよ智さんッ//」
可愛い顔には不釣り合いな程の
強烈な衝撃に…
思わず涙が出そうになった…//
(危ないこと…
するからでしょッ!!
怪我したらどうするの!?)
めちゃくちゃ…
心配させちゃったのかな…//
よく見たら目が潤んでいて…
「…ぁ………ごめん……なさ…い///」
俺の上から退いて
起こすのを手伝ってくれる智さんを
殴られた頭を摩りながら…盗み見た…
(……ふふッ……んふふふッ//)
「……智さん?…あのッ//…俺ッ…」
真剣な顔から…
だんだん…
眉や唇が うにうに と震えだして
ふにゃり♡
(あははははははッ///
相変わらずいつも真っ直ぐだねぇ〜♪)
「……/////」
いつもの優しい
智さんに戻ってくれて…
太陽とは違う…
体の中から熱くなる何かを感じた
この夏がきっと終わる頃には…
照り付ける陽射しによって生まれる
汗の匂いに混じり…
智さんの甘く優しい香りが…
鼻の奥まで浸透して…
香りの記憶として…
ずっとずっと…
…いつまでも……残るといいな…//
つづく⭐︎⭐︎⭐︎