気象系の赤×青さんの妄想小説です
※BL・18禁要素を含みます
※素人の自己満小説です
※男子禁制です♡


それではこれより先は…
ご理解頂ける方のみお進みください








Side S








どこまでも続く

果てしない海をロケーションに…










その最高の景色と比べて…

お世辞にも似つかわしいとは言えない







お食事処と書かれた、

錆びれた看板が取り付けられたままの



幽霊屋敷ならぬ…

昔、家族経営で栄えていたであろう

形跡が薄れて朽ち果てた建物




そしてその直ぐ横にある

これまた古びて傾いた看板の

店内ガラガラのラーメン屋





それが今、俺たちのいる場所だ…







ラーメンとしょおはボクのだぞッ!!お前なんかに…絶対渡さないからな!!



何よッ!全部独り占めしようってわけ!?何もかも全部自分のモノにするなんて、ずるいじゃない!!この…泥棒猫!!



んにゃにゃッ……
ネコだけど泥棒じゃないぞッ!
 ラーメンはしょおがお金払ってくれるし…
 しょおはボクのこと…好きだもん!!
 …ね?しょお?}


[ねぇ、何でネコの方を認めてるのよ?
 あんたバカなの?
 そんな可愛こぶってもダメなんだからね!
 私は…見た目に騙されないわよ!!
 こっちはね…小さい頃、
 翔とお風呂入った仲だぞ!ふんッ]


{ボクだって、しょおと温泉行くんだぞッ!
 それにボクとしょおは、毎日おふぅッ!?
 …ッ……ふぅぅッ//////}


変なことで
 言い合いするのはやめろッ!






危機一髪!

お喋りにゃんこが変な事を喋らないように

手で口を塞ぎ、食い止めることに成功…





[ちょっと翔、そいつ…大丈夫なの?
 男のくせに可愛子ちゃんぶって…
 まぁ、確かに…可愛いけど…ちッ]


「ふはッ、若葉〜お前も女のくせに
 変わらず男らしいな…逞しいよ…」


[そう?サンキュ〜♪こ〜んな田舎で、
 メソメソしてらた何にも出来ないわ…
 強く逞しくってな♪]




華奢そうな体型からは想像つかない

その逞しい上腕二頭筋を見せられる




「ははははッ変わらないな…懐かしいよ…」




俺と さとし は、駅前でレンタカーを借りて

俺の幼馴染の家族が経営するラーメン屋へ

挨拶がてら夕食をご馳走になっていた





さとし は、最初こそきちんと挨拶をして

行儀良くしていたが、長旅で疲れたのか…



我慢していた甘えモードが発動して

それを見かねた、幼馴染が

突っかかってきたのが始まりだ…






ぐいッ!!

{しょお…もう行こッ…
 コイツ…イジワル…嫌いだにゃ…}


こらッそんなこと言わないの…
 レンタカー代サービスしてもらってるの
 俺らは感謝しないといけない側なんだよ」


{んぁッ…やッやめて…///}




言い過ぎのさとしの鼻を摘んで

これ以上、場の空気が悪化しないように制した






今回借りたレンタカーの経営者が

目の前にいる幼馴染の親戚が経営していて

かなり費用を抑えてもらっている…



ってか…ほぼガソリン代だけ…






[あははは!本当に仲良いのね〜♪
 この後、温泉行くんでしょ?
 朝、立ち寄ったら
 綺麗に清掃も済まされていたよ!
 安心して行ってらっしゃい♪

 まぁ雪が残ってるから寒いだろうけど…
 もう、誰も行かないだろうし、
 車、側に止めて入ればいいわよ♪]

 
「おう!サンキュ〜♪
 やっぱりこの町に帰ったら行かないとな♪
 
 よし!!さとし、そろそろ出ようか!!
 じゃあ〜…また寄るよ!
 ご馳走様でした!!」


[おう!いつでも帰っておいで♪待ってる!
 ふふッ元気そうな顔見れて良かったよ!
 ほら、猫ちゃん?
 あんたもまたラーメン食いにおいでよ♪
 なよなよしてんのに…ラーメンだけは
 旨そうに食ってくれちゃって…
 あんた、まぁまぁ気に入ったよ♪]


{ボク、あんたじゃないぞ!さとしだぞッ!}


[ほ〜さとしって言うんだ〜♪
 そう言えば昔、翔が飼っていた猫にも
 そんな人間っぽい名前のがいたよね〜♪

 そのさとしとも私は気が合わなかったな〜
 よく引っ掻かれてたから…
 尻尾踏んづけてやり返してたっけ…]



{うげぇ〜…やっぱりボク、お前の事…
 好きになれない…尻尾は痛いんだからなッ}


 

さとしが尻尾があったであろう場所の

お尻を撫でている…







「……やっぱりそうだよな…
 ねぇ、その猫、その後どうしたんだっけ?
 もう昔の事過ぎて覚えてなくて…」


[さとし?…さあ私は知らないかな…
 でも翔が引っ越すタイミングと同じ位に
 見かけなくなったから…
 てっきり翔達家族が連れて行ったんだと
 思ってたけど…違うの!?]


「うん、引っ越してからは…
 ペットを飼ったことなくて…」


[まぁ、婆ちゃんに聞いたら?
 何か分かるんじゃないの?…
 
 あ〜ほら、婆ちゃん、翔が帰ってくるの
 楽しみにして待ってたからさぁ…
 もぅさっさと帰った帰った♪]


「そっか……じゃあ、また!元気でな♪」


{らッ…ラーメン旨かったぞ…♡///
 ……ご…ご馳走様ですにゃ…}

[おう♪じゃ〜最高の初日の出拝んで
 ハッピーな新年迎えてこいよッ♪]




ピースサインで見送る

幼馴染の若葉…




車に乗り込み、ウィンカーを出す




「ありがと!よいお年を〜」
{バイバイにゃ〜♪}




幼馴染に挨拶を済ませて、

俺の帰省時のやるべき項目の一つに

チェックが入る




そして次の目的地へ向けて

車を走らせた…




{んふふふッ♪アイツ…まだ手振ってる…
 こ〜んなふうに、見てみてしょぉ♪}



さとしが両手をバンザイして

楽しそうにその腕を左右に振るから…



俺は、今はもうバックミラーには

豆粒のようにしか映っていない幼馴染へ、

ハザードランプで返事をした





幼馴染に聞けば…

何か情報が得られると思ったけど…







隣でのんきに欠伸しているコイツと

昔婆ちゃん家で飼っていた猫のさとし





何か関係しているんじゃないかと

思ってしまうと、その事が頭から離れなくて





何か不思議な縁みたいな……



そんな予感が…



胸の奥深くで

何かザワザワとしたものを感じる気がして…






だって…猫が人間になるなんて…

やっぱり考えられねぇし




こいつ…本当に何者なんだろう










そんな事を考えている間に

次なる目的地へ到着した…







さとし、温泉に着いたぞ♪
 何とか日暮れ前に着いて良かった〜」





そこは地元の人しか知らないような所謂…

…秘湯だ




地元の管理地の舗装させていない砂利道を

しばらく走ると竹林に入る…




その先を更に進んで行くと、突如現れる…


厳選100%かけ流しの湯



竹林に囲まれ…その空間だけが空まで届く

筒状の空間になっている




大きさは直径3m弱位の広さだから…



明日、雅紀達も加わって全員で入っても

まぁそれなりにのびのびと寛げる





脱衣所も洗い場なんかも何にもないから、

よほどの温泉好きじゃないと

なかなか立ち寄りにくい場所だ



そして…

温泉の直ぐ横に車を駐めたら使用中の合図

後からきた者は引き返すことが多い…



昼間は地元の人が足湯に立ち寄ったりして、

憩いの場に化していたり…


地元の人からは程よく親しまれている








{んにゃ〜♡白いモクモクいっぱ〜い!!
 空まで届きそう〜♪}


「ふはッ確かに♪よし!それじゃ脱げ!!」


{んぁ?}


「ここはお風呂と一緒だから、
 さとしご希望の裸になってOKってこと♪
 寒いけど温泉に浸かってしまえば
 最高に気持ちいいから♪ほら、いくぞ!」




座席にバスタオルをしいて…

バスローブだけ持って近くに置いておけば

風呂上がりもそのまま車に乗れる♪






{なんか楽しそうだなッ♪}




ふたりでガキみたいにはしゃぎながら

車の中で服を脱いでいく♪





そして…バスローブを羽織ったら………



いざッ!!♡






ガチャ… バンッ

うをぉ〜寒みぃ〜〜!!


ひいぃッ!?///
 しょお!寒いぞッ!!
 飛び込んで良いか!?



あぁあああ!!
 ちょっと待った!掛け湯♪掛け湯♪」





温泉の縁代わりの岩の上に

ぽつんと置かれた桶を拝借し…




さとしと俺、交互に掛け湯をして

準備を整える…




しょッ…しょお!!
 早く早く〜!!


ふはははッよ〜し!
 良いぞ!!入るぞぉ〜♪


やったぁ〜てぃッ♪













ザッバーン!!

バシャバシャッ ///











ふぁ〜〜〜最高ッ!!!
 帰ってきたぜぇ〜
 俺の故郷〜〜〜♪


わぁ〜〜気持ちい〜にゃ♪








貸切の非現実的空間にふたりで大はしゃぎ♪






昔は、爺ちゃんと父さんの男3人で

入りにきてたよな…




それが最近は登山のお陰もあって

雅紀達仲間を連れてこれるようになり…




今年はつい先日出逢ったばかりの

コイツと一緒に入ってる…







縁って不思議だな










誰もいない大自然の空間に

すっかりご機嫌のさとしは、縁に掴まり

可愛いお尻を浮かべて浮いて楽しんだり…


猫なのに犬かきなるものをして泳ぎ

存分にこの場を満喫している






「ふはははッすっかりお気に入りだな♪」


{おう!しょお、気持ちがいいな♪
 窮屈な箱の中で入らなくていいし…
 お空に届きそう…
 これならずっと入っていられるね♪}





さとしが俺の横に泳いでやってきて

空を見上げたから…


俺も、温泉の縁に腕組んで頭を預け…

空を見上げた






空が夕闇にのみこまれてゆく…




「今日もあっという間の一日だったな…」





ふたりして空に向かって…

隣の相手に話しかける




{はぁ///今日はいっぱいの人間がいたにゃ
 んふふッ…目瞑ったら…ふふッ
 まだシンカンセンに乗ってるみたいだぞ♪
 疲れたけど…楽しかった…}


「そうだね…よく頑張ったね…、
 ここまで一緒に来てくれてありがとな///」


{おう!しょおの住んでた所に
 一緒に来れて嬉しいぞ♡
 しょおの婆ちゃんに会うのも楽しみだ♪}





ふにゃり笑顔で

そんな言葉をかけてくれる存在が

直ぐ側に居てくれることに…





改めて、幸せだなぁと思う





{あ!しょお、星が見えたぞ♪
 そろそろ婆ちゃんに
 会いに行かなくていいのか?………?
 …しょお……んぁッ///…ふッ///






コイツに出逢って僅か数日なのに、

自由奔放なコイツに翻弄され続け

ドタバタした中にも、得られたこの気持ち





本当はまだまだ隠し通したいのに……


自然に囲まれて

開放的な気分になっているのか……



猫の姿から人間になったと言う

不思議な存在のさとしが、魔法のようで…



もしかしたら突然、

幻となって消えてしまうんじゃないか…と

何か予感めいたものを感じているのか…




この新たに芽生えた気持ちを

隠したくないと思ってしまう自分もいて…//








とりあえずは…

今はこの大自然に肖って…









こいつの口を塞ぐことにした








いつ、この夢が消えるか分からないから…








今、この瞬間すらも、

一度きりしかないのだと思うと…






それは奇跡で



愛おしむべき存在なのだと思うから…









少しじゃたりない








深く






深く







これから先、

ずっと繋がりがなくならないように…








{んぁぁッ///…ハァハァ…しょ…ぉ…///
   今日は…どうしたの?…ハァ…}


「さとし…俺…///」


{ん?///…なぁに?}












「俺、お前の事…  愛してる  」












{んにゃ?…アイシテ…?}

「愛してる……覚えておいて…
 俺とさとしの…
 …ふたりだけの秘密のコトバ…


 そして…【愛してる】
 この言葉の意味が理解できて…
 さとしからの返事が…

 俺とさとしの未来を…紡いでゆけるものなら



 …さとしを 



 俺にちょうだい?」




{しょッ⁈///…ぁふぅッ///んッ…んんッ///






どうか








どうか

この願いがコイツの心に届いて










芽吹きますように…






ッはぁッ///…ごめん……ハァ…
 ちょうだいって…言う前に……
 唇だけ…ハァ……奪ってしまった…///」







塞いでいた口から離れ

さとしの肩を抱いて、項垂れる……





そんな俺に届いた声は

やっぱり、優しくて…





{んふふッ///…ハァ…大丈夫だょ…ボクは…
 苦しくて気持ちいぃ…は…
 …しょお とだけだよ……ハァ///










頭を上げると

やっぱりふにゃり笑顔のさとしがそこにいて










「ありがとう…///」









こんなありきたりな言葉しか

出てこなかった










そしたら今度は…

…さとしから…







さとしの方から

俺を抱きしめてくれてた








そして背中の方から聴こえて来た声は…







{…しょぉ…大丈夫だよ…///


 …アイシテル…


 ボクとしょぉだけの…秘密のコトバ…

 覚えておくねッ//
 わかったら…しょぉに教える///んふふ♪}








今、さとしができる

俺への…精一杯の優しい返事だった







「うん…ありがとう…待ってる…///」













つづく⭐︎⭐︎⭐︎