映画は心の薬 | 日尾昌之 masayuki hio

日尾昌之 masayuki hio

週休4日のアウトサイダー

「幸福の黄色いハンカチ」

この作品は、私にとって、精神安定剤なんです。

悲しいことや、辛いことがあった時、この作品を観ると、心が癒されるんです。

東映任侠映画で人気を博した高倉健さんと松竹のトップ女優の倍賞千恵子さんの共演も見どころの一つでした。初め、私は、主人公の島勇作役は、脚本を書く段階から健さんに決まっていたものだと思っていましたが、後の山田洋次監督のお話によると、何人か候補の俳優さんがおられたそうです。ある日、ある人が山田監督に「高倉健は、どうか?」と言ったのがきっかけだったとのことです。

 

 

それから、このラストシーン、何枚もの黄色いハンカチが、風になびいているのが、感動的ですが、なぜ、奥さんの島光枝は、こんなに多くのハンカチをつけたのでしょうか。2、3枚でもよかっのに。でも、これは山田監督の素晴らしい演出だったですね。このハンカチの数は、光枝さんの勇作への愛情の数を表現したのだと思います。また、うがった見方をすると、ネット通販がなかった時代、ましてや、こんな田舎で、良くも、こんなに多くの黄色いハンカチを集められたのかと。(笑)きっと、光枝さんは、布切れを用意して、自分で、黄色に染めたのかな。この映画は、そんな事まで想像させてくれる作品です。映画は、心の薬ですね。