当たれば死ぬ | 日尾昌之 masayuki hio

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週休4日のアウトサイダー

ご存じの通り、昨日、自衛隊で、あってはならない事件が起こりました。

十数年前、私は、自衛官として航空自衛隊岐阜基地で勤務していたので、年に何回か、事件のあった、日野射撃場で実弾射撃訓練をしました。テレビの映像を見ると住宅街にある印象ですが、当時は、山の中にぽつんとある屋外の射撃場でした。

 

射撃訓練は、射手(撃つ人)とコーチ(射手の補佐、弾の管理をする人)が、二人一組になって、射座(撃つ位置)に着いて行います。

幹部 「射手、コーチ 位置に着け!」

銃を持った射手、コーチ、射座(撃つ位置)に立つ。

幹部 「目標、正面の敵、寝撃ち!」

射手 腹ばいになり、コーチ、射手の横に座る。

幹部 「弾薬係は、コーチに弾を渡せ!」

弾薬係「(コーチに)弾薬〇発!」

と言って、あらかじめ弾が装填された弾倉をコーチに渡す。

コーチ「弾薬〇発!」

と、復唱して弾倉を受け取る。

幹部 「コーチは、射手に弾を渡せ!」

コーチ「弾薬〇発!」

と言って、射手に弾倉を渡す。

射手 「弾薬〇発!」

と復唱して、弾倉を受け取る。

幹部 「射手、安全を確かめ、弾を込め!」

射手 「(安全装置を確認して)安全よし!」

と、銃に弾倉を装着する。

幹部 「射撃用意」

射手、射撃姿勢をとり、安全装置を解除する。

幹部 「撃て!」

射撃後

幹部 「射撃 止め!」

 コーチ、射手のヘルメットを叩く。

幹部 「射手、安全を確かめ、銃を置け!」

射手 「(安全装置をかけて)安全よし!」

と、射手、銃を身体から離す。

 

以上が、私が記憶している実弾射撃訓練の流れです。この流れが今も変わらないのなら、犯人は、射座でコーチから弾をもらわない限り、射撃はできません。なので、事件は、その時点で発生したと考えるのが普通ですが・・・

 

自衛隊に入隊して、初めて銃(当時は、64式小銃)を撃った時、私は、「当たれば死ぬ。」と思いました。これは、訓練ですが、訓練と言うものは、本番に備えてのものです。本番とは、戦争です。敵とは言え、人を殺傷する事には間違いはありません。

「戦争とは、罪にならない殺人か・・・」

平和な日本で学校を出たばかりの私は、何か、複雑な心境でした。

写真は、射撃訓練の時に撮ったものです。

 

最後に、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします