なぜ、アルゼンチンに行くのか? | 俺はShattered

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50歳を過ぎて、「この調子なら100歳まで」と思っていたら、とんでもない苦境が待っていた。そこをくじけずに、生き延びようとする哀れで滑稽で笑止千万な人生の「後半部分」を再構成する決定的で虚無的なアメブロ。

来年の2月3日からストーンズは南米ツアーを開始する。
最初はチリのサンチャゴから始まり、アルゼンチンのブエノスアイレスに行き、
ウルグアイのモンテビデオからブラジルのリオデジャネイロ、サンパウロ、
ポート・アレグレをまわり、ペルーのリマに行く。
そして、コロンビアやメキシコをまわり、キューバで終了する。
最後のキューバのハバナは、3月21日らしい。
(これはすごいことだ。だってミック・ジャガーは72歳なんだもの。)

つまり、約2ヶ月で、8都市14回公演の予定だ。
大体、3日か4日に1回の割合で移動しながらショーをするわけだ。
これだけでもすごい!
このニュースを聞いた先月から、うきうきして仕方がない。
そわそわしてきた。
(キースだって今月18日に72歳だ!)

よく考えてみれば僕はストーンズのコンサートを南米で見た事はない。
どうしてか、その理由を考えてみると、第一はやはり遠い国だからだ。
漁業の仕事をしている時に、年に少なくとも2回はペルーのリマに行った。
多分、20から30回くらいはペルーに行き、リマ市の隣にあるカヤオ市という
漁港で仕事をして来た。ときには、カヤオからアフリカのケープタウンに
行ったり、スペインのラスパルマスに行ったりした。
それでなんとなく南米の雰囲気は、わかっているのだが、
ともかく、日本からだと遠い国だと思う。

それなのに、今回はなぜ「アルゼンチン」まで行こうとして、
いるのか?
それはやはり「ストーンズのライブの魅力」のせいだ。
これまで公表されている南米のコンサート映像は、
とてつもない熱狂の場面が多い。
ラテンののりである。
会場全体が壊れてしまうのではないかと思うほど、
観客ののり方が尋常じゃない。
ヨーロッパでの野外コンサートでも、そうだが、
ラテン系の国でのストーンズのコンサートは、
見るからに、すさまじい。
しかし、よくよくその熱狂の場面展開を観察してみれば、
映像の編集のせいであることも、最近になってわかってきた。
カメラ・ワークと編集が「より熱狂的に見える」ように
編集されている事が了解される。

そしてまた、じかにその「ラテンののり」に身を投じてみたい
気分になってきた。実際に行ってみなければ、体験してみなければ
わからない事も多い。昨年の日本公演で、アルゼンチンから
やってきたストーンズファンと知り合いになった事も
理由にあげられる。そして、アルゼンチンを旅行したい
気持ちにもなっている。簡単に言えば「アルゼンチン観光」
である。

それでもブラジルには行かない事にした。
過去に2度ほどブラジルのレシフェとサンパウロに
仕事で行った事があるが、
どうも食べ物のセンスがあわない。
だがアルゼンチンはトランジットで8時間ほど滞在した
記憶がある。それだけで言うのもおかしいが、
なんとなく英国の風情が漂っている。
アルゼンチンの歴史的な事はよくわからないが、
小さい頃、自宅のレコード棚に「アルゼンチン・タンゴ」という
LPレコードが数枚あり、こっそりかけて聞いていると、
母親に叱られた事を思い出す。
どうして、叱ったのか、その理由はいまもってよくわからない。
たしか「子供の聴く音楽ではない」と母が言った記憶がある。
それでも数回こっそり聞いていたので、強く記憶に残っている。
もの悲しくも情熱的な音楽だと思う。

他にもいくつか理由がある。
キースがソロ・コンサートツアーで、いきなりアルゼンチンに
行ったことがある。1992年のことである。
これは当時、ストーンズのマーケット・リサーチ部隊が
キースを先兵として送り込んだと言う噂があった。

そして一番の大きな理由は、今回の各都市での公演回数は、
大体、1都市1回公演だが、ブエノスアイレスでは3回も行なう予定だ。
他にメキシコシティでも1回ではなく2回だが、
3回は、アルゼンチンだけだ。
これは興味深い。
3回とも同じコンサートをするわけがないので、
同じ会場で3回も行なうストーンズのショーは、
きっとなにか工夫されたアイデアがあるのではないか、
と期待しているのである。

ここまで書いたら眠くなって来たので、次回へ続く。




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