思ってもみなかった生活をしていること
結論から言うと、こうだ。
「今自分は就職をしていて、結婚もしている。」
ブログを書いていなかった期間、私は派遣として働いてはいたし、好きな人もそれなりに居たし、食べていたし、寝ていた。
そんな感じでなんとなく生きていた。
人生をナメている割には不安な将来に怯え、
怯えている割には何の対策もしてこなかった。
資格とか、婚活とか、貯金とか。必要だと思われるその辺の対策を。
でも多分心のどこかで、「収まるところに収まるもんだ」と、
根拠のない自信をぶらぶらと持て余していた記憶はある。ということは、やっぱりナメていたことになる。
そんなに昔のことでもない記憶をすでに忘れかけている今、
自分はもう夏のボーナスに思いを馳せながら仕事をしているし(気が早い)、
向かいのソファーでは夫がPS5でドンパチしている(COD)。
多分、収まるところに収まった。
私は幸運にも。
そう思いたい。そして出来れば収まり続けたい。
結婚記念日が来月に迫る今日、
何となく久々にブログを書きたくなった。
何かを書く仕事には就けなかったし、
Microsoftってどこのソフト?と聞いていた自分が今はSaaS営業をやっている。
でもやっぱり書くことは好きだし、多分これは自分の中で一番純粋な道楽だから、
誰も読まなくとも、ちょこちょこ書くことを楽しもうと思う。
こっそりと。
いつでも良いものなのかもしれない
ヒールのゴムが磨り減ったパンプスでカツカツと硬い音を立てながら、いつもの修理屋さんへと急いだ。
日曜日、デートの前だった。
大人の男性の隣でそんな音を立てて歩くのがどうしても恥ずかしくて、待ち合わせの時間をずらしてもらってまで修理屋さんへ立ち寄ったのだ。
急なお願いにも関わらず、いつものおじさんは笑顔で「大丈夫。すぐ直してあげるからね」と言い、器械のある小部屋へと入って行く。
ほんの少しだけ待ってる間のことだった。
私にしてみれば、結構な衝撃を受ける小さな張り紙を見つける。
『2月いっぱいで閉店することとなりました。ありがとうございました』
このお店が、無くなってしまうことを知る。
上京してからずっとお世話になったお店。
私の靴達はみんな、笑顔の素敵なおじさんに直してもらったものばかりだ。
小部屋から出て来たおじさんに、「無くなっちゃうんですか!?」と飛びつくように尋ねると、
「そうねー、このスーパー自体がいずれ無くなるみたいなんだよね。それもあって。」と言っていた。
「....困ります。寂しいな。上京してからずっとおじさんに直してもらってて、補色までキレイにしてもらって。。。」と言葉に詰まると「覚えてるよ」と言ってくれた。毎月来ていた訳じゃないけど、ちゃんと覚えていてくれた事が嬉しかった。
感謝の気持ちを伝えて頭を下げたのだが、二月いっぱいまでいるのならもう一度ちゃんと来ようとその時は思ったのだ。
そしてその後のデートの時も、相手におじさんの話をしていた。
でも、それがもうすでに、二月の半ばだったということ。
相変わらずの日々だった。20時、21時前に仕事を終える日はきまってお稽古ごと。
身体を壊し、土曜日は病院。痛み止めで誤魔化しながら、今日も木曜日の検査を待っていた。
そんな夕方。隣のデスクの子が靴の修理屋さんに用事がある話をしていた。
どうしてそこで気付かなかったんだろう。
そう思いながら息を切らして駅の中を駆け抜けたのは、まだ少し先の話。
19時半。偶然にみんなで今日はもう上がりましょうとの流れになり、ぼちぼちと解散。
お腹が空いて入ったのは職場の向かいの中華料理屋さん。
サラリーマンで溢れる店内で一人、ラーメンを食べた後だ。
気付くのはそのタイミングでだった。
今日は、二月の終わり。
慌ててお会計を済ます。花屋さんなんてこの辺無いよなと足早に駅に向かい、お菓子屋さんでお菓子を買う。電車に乗る。家の最寄りの駅に着く。
それからは走った。人目を気にせず走った。
何で、何で自分はこうなんだろう。
何でせめてあの時、気付かなかったんだろう。
まだ前の職場で嫌な事があった仕事帰りの時も、ウキウキしながら向かうデートの前も、つま先を出せる季節に備えて夏色のサンダルを箱から出した時も、
ずっと直してもらってきた。
何より忘れられないのが、落ち込んだり嫌な気持ちの後に寄った時は、
いつも笑顔に癒されて、心も治してもらったことだ。
そんな思い出が頭を駆け巡り、息を上げながら走る。信号は全部青。時刻は20時過ぎた頃。まだ、間に合うかもしれない。片付けでまだ居るかもしれない。
スーパーの一角。お店の電気が見えた時の喜びは束の間、
おじさんはもう居なかった。
同じくお世話になっている隣のお洋服のお直し屋さんが、
「19時頃までは居たのよ。あらー、ご挨拶にいらしたの。。。いつかまたここに寄る時もあるかもしれないけど。。。」
甘かった。間に合わなかった。
今の生活でもう会える確率は、極めて低い。
息が上がり、痛む胸を押さえながらトボトボと帰った。
いつも私は大げさなんだろうけど、
何だか泣きたくなった。
この前も同じ事を思ったのだ。
どうして自分は、気が利かない、人間として足りないんだろうと。
ずっとずっとお世話になってる方とバレンタイン近くにご飯をご馳走になった帰り道、
何故こんな絶好のイベントで、お礼一つ出来ない女なんだろうと。
どれだけ助けられて、どれだけご馳走になってきて、どれだけ遊んでもらっても、
私は頭を下げるだけで、チョコレート一つ用意することに気付かない女だ。
もう、バカなんじゃないか。本当に。
また大切な時間を逃してしまった。
おじさんに伝えたかったのは、靴を直して貰ったお礼より、
おじさんのお仕事に救われた人間がいたこと。
その「ありがとうございます」だ。
おじさんが喜んでくれるかは別として、お礼を伝えたかった。
そして、今思う。
最後の日じゃない、誕生日じゃない、クリスマスやバレンタインじゃない、
「大事なのは気持ちだよ」の本当の意味。
勿論、節目節目のイベントやタイミングも大事だと思う。でも気持ちの方が、先だ。
もう、良いと思う。イベントじゃなくて。
明日でも、明後日でも良い。
会える時に、気持ちがあれば伝えても良いんじゃないかって。
相手にしたら何で今?ってタイミングでも、
自分がしたい時に出来るとは、限らない。
今度大切な人達に久々に会える時はお礼をしよう。
でも幸せなことに破産しそうなくらい沢山いるから、自分の範囲内でしていこう。
ちょっとした奇跡を祈って、おじさんが居ないかスーパーにも行ける時は行ってみよう。
この気持ちを無駄にしないで生かそう。
過ぎていく毎日や親切な人達がいる事が、当たり前ではないと改めて知った二月も終わる。
三月、私はどれだけの時間を大切に出来るだろう。
しっかりしなきゃ、だ。
二度目の台湾
「それじゃあ、今度みんなで行きましょうよ!」
台湾出張の帰りだったお世話になっている方にラーメンを食べながら進言したのは秋の初め。
日本ではすっかりと秋も深まった11月の終盤、それは実現した。
台湾は昨年女友達とすでに訪れていたのだが、あのマンゴーかき氷の味が忘れられられず、そしてみんなで海外旅行というなかなか実現出来ない楽しそうなイベントの為に私は進言したのだった。
が、
「今台湾行ってもマンゴーかき氷食べれないよ。だって季節じゃねぇもん。」
その台詞を日本在住である台湾人の友達に聞いた時の私のテンションの下がり方は、ナイアガラの滝くらい、落差があった。
でも行ってきた。
安い。安すぎる。因みに昨年の某大手ツアー会社のパックは12万。1/3の値段で行きました。
格安便は噂に聞くよりも全然乗り心地は悪くなく、全く問題ありません。ホテルも安心の日本のサンルート。急遽必要になった現地での両替等、やはり便利です。
そして、
海外旅行に必要なのは、パスポート、お金、そして次に大切なのは、
雨ガッパ。
これは、スロベニアの豪雨で学んだ経験でした。
カッパがあれば、荷物も大切なカメラも濡れないのです。千と千尋の湯婆婆の舞台地に希望者をアテンドし、写真スポット等もアドバイス。一回来たことあるくらいで偉そうにガイドを気取り、退散。
次の日は、
台湾のユニフォーム、派手で良いなぁ。
自分の部屋に飾ってみたいなぁ。落ち着いて眠れなくなりそうですが。
それなのに我々日本のチームが出場した試合には、我々が向かう会場まで、
タクシーで残り2キロの地点で間に合わないという残念な結果で立ち会えず。
大会会場以外の時間はウーバイさんの夜市で観光、関係者の激しい打ち上げでおもてなしを受けるなどなど楽しい時間を過ごしました。
そして何より、味が薄い。どんなお店も、
まー、味が無い。
友達に「日本に来た時、ご飯しょっぱいなぁと思わなかった?」と帰国後尋ねてみたところ、やはり未だにしょっぱいなぁと感じるらしいです。
日本食の塩分の濃さを思い知りました。
味の薄さ、慣れない八角の風味でエネルギーが低下しそうでしたが、宿泊ホテル下の大戸屋、吉野家の馴染みの日本食で復活。食って大事ですね。
今回年配の方々とは関わる機会が無かったのですが、台湾の人達はとても親日で、謎のへっぽこカメラマンが声を掛けたところで撮影も快く応じてくれました。海外の人達の好きなところは、ちょっと話した後の終わり際、ほぼ必ず「楽しい1日を過ごしてね!」と言ってくれること。日本人もそれくらいは言うでしょうが、それは気の利いた大人が言うセリフで大体が「どーもー」と別れると思います。でも英語を話せる海外の人達は、どんなに若いお兄ちゃんでも爽やかに「Have a nice day!」的な言葉をくれます。観光客に対する気遣いというか、でも彼等にとっては当たり前の挨拶というか、そういうところを見習いたいなと思います。
女子トイレでは「日本大好きなんです!日本語勉強してるんです!」と知らない可愛い子ちゃんが話しかけてきたり、
「僕と一緒に写真を撮ってください」
と声を掛けてきてくれたり(自慢、しかも2人)、
個人的に良い思いも経験しました。そのまま台湾に居れば私は結婚できるんじゃないかと、若干名残惜しく帰国。
また機会があれば是非行きたい台湾なのでした。