日本で働く外国人労働者の中には、
遅かれ早かれ「母国に戻る」という
目標を持っている人が大勢いる。
そのような人たちが、日本の年金について
「どうせもらえない」「自分には関係ない」と
感じていても無理はない。
では、もし雇用している外国人が年金への
加入を拒否した場合、企業としては
どう対応すれば良いか?
この質問に答える前に、まず「国民皆年金」に
ついて確認する。
日本では企業に勤めている方はもちろん、
自営業者や無職の人、学生も含め、
20歳以上60歳未満のすべての人が
公的年金制度(国民年金、厚生年金、共済年金)の
対象になる。
これが「国民皆年金」という制度だ。
国民皆年金の基本は、現役世代の収入により
収入を失った高齢世代を支える「世代間扶養」という考え方だ。
このため「将来年金をもらわなくて良いから、
自分は払いたくない」という主張は通らない。
また「国民」という言葉が付いているものの、
実際には国籍を問わないのがこの制度の特徴だ。
つまり「外国人労働者」や「外国人留学生」であっても、
公的年金制度の対象となる。
そして企業に務めている労働者は、
日本人・外国人を問わず強制的に「厚生年金保険」と
「国民年金の第2号」の被保険者となる。
では、最初の質問に戻る。
もし雇用している外国人従業員が年金への
加入を拒否した場合、企業としてはどう対応
すれば良いか?
外国人従業員にとっては残念な結論だが、
企業として、そのような主張を受け入れることはできない
(企業にも選択権や決定権がない)。
むしろ年金制度の目的や意味を根気よく説明して、
加入が義務であること、もし納得できないのであれば
日本では働けないことを理解してもらうことが重要だ。
また後ほど詳しく説明しますが、年金の支払い途中で
帰国した外国人は「年金脱退一時」を申請することができる。
こうした制度について企業側がしっかり理解しておけば、
外国人従業員を説得しやすくなる。
また、社会保険に加入しないと永住ビザや帰化の申請が
通りにくくなる。

