先日、ミリオンダラーベイビーで、カウンターを食らった私は、TSUTAYAのクリントン・イーストウッド監督作品コーナーについつい足が向きまして、借りました。
マット・デイモン(すごい名前だよなカタカナで書くと)が主演と言うことで、全編出てくるのかな?と、思ったけど違って、良かったです。
理由は、彼の演技は、全身で見ると好きだし、表情も好きだけど、欧米人はあのお顔をイケメンと呼ぶのでしょうか?私にはちょっと分からない美的感覚です。(私がおかしいんだけどね)
でも、演技すごいですよね!
マットのカッコつけた横顔が延々と流れたらどうしょう!と、思っていましたが、そんな使い方をしなくって、さすがイーストウッド監督!と、思いました。カッコつけなくて、なんか、一生懸命してたり、考えたりしているマットは大変美しい。

演技も、メインの3人ともすごいのですが、映像がすごいです。光の感じで、リゾート、サンフランシスコ、フランス、ロンドンって、分かるんですよね。

あと、やはり、津波のシーンは凄かった‼
それから、マリーが、食事に降りていくレストランの階段のシーンが、あ、鏡に写ってたのを見てたんだ〰、と、いうのが2回あって、すごくここは、好きな感じでした。

さて、映画のストーリーですが、マリーはフランスの有名なアンカーウーマン(アメリカなら)日本だとなんだろう?ジャーナリズム系のニュースやスペシャル番組の司会進行をしたり、インタビューする人で、恋人のプロデューサーとリゾートに旅行中です。
彼のお子さんへのお土産を彼が買おうとしないので、代わりに買いに行き津波に巻き込まれます。
一度心肺停止し、その間、今まで体験したことのないビジョンを体験します。
帰国後、インタビュー中にその時のフラッシュバックが起こり、ミスをします。
そのため、被災後日が浅いからとプロデューサーが勧めて、番組を降板し、自由に執筆する休暇をもらいます。
マリーは予定と違う臨死体験に関する本を書き上げますが、フランスでは、タブー視される内容で、テレビ局のブレインに批判されます。理解してくれると信じていたプロデューサーの恋人は、すでに、自分の後釜のアンカーウーマンと愛人関係で、復帰のポストが無いことを知ります。
しかし、本はアメリカとイギリスで出版が決まり、本の売り込みの為ロンドンのブックフェアに向かいます。

双子の少年の母親はアル中で薬中です。でも、二人は力を合わせて、生活を維持させてます。ある日、母親が、薬(薬をやめるため)を薬局に取りに行かせた兄が交通事故で死亡します。
母親は、更正のための施設に入り、息子は里親の家に引き取られます。里親は、心を砕くのですが、双子の兄を失ったマーカスは中々心をひらけません。
そして、兄を求めて霊能師の所へあちこち行くけれど、本物の霊能師は居ません。
あるとき、マーカスが被っていた兄の帽子が脱げてしまったために地下鉄に乗り遅れると、その地下鉄が爆発し、マーカスは九死に一生を得ます。
そして、マーカスが世話になっているご夫妻の前の里子に会うために、ロンドンのブックフェアに向かいます。

ジョージは工場作業員で、外出するときは手袋を欠かせません。何故なら、彼は人に触れると、霊能力でその人の過去や、亡くした身近な人の事がわかってしまうから。彼はその能力を幼い頃の病気とそのための手術中の心肺停止に起因する後遺症ととらえています。
その能力を利用して、ジョージの兄が取り仕切って、霊能師として活躍します。しかし、それはジョージにとって幸せな生活では有りませんでした。
何故なら、恋愛したい相手に触れてしまって、すべてがわかってしまうから。それは、お互いにとって辛いことがこれまで多かったのです。ジョージは、心の平安を英国の作家ディケンズの朗読を聞くことで癒しています。部屋には彼の絵がかけられています。
料理教室で知り合った女性とも、霊能力のせいで上手くいかなくなります。更に、真面目に働いていたけれど家族が居ないために、リストラ対象となります。
前からジョージに霊能師復帰を勧めていた兄は、退職後のジョージの霊能師オフィスを整えるのですが、ジョージは突然、兄の前から姿を消して旅に出ます。
大好きなディケンズ縁の地を旅します。
そこで、たまたまロンドンのブックフェアで、ディケンズの朗読が生で聞けることを知り、出掛けます。

さて、やっとここで、3人の歯車が噛み合います。
ディケンズの朗読を聞いた後、ジョージは臨死体験の本を出したマリーのプレゼンを聴いて、心引かれます。自分がいつも感じている事を理解できる体験した人物と話がしたくて、本を買ってサインを求めます。ジョージがマリーに触れた時、マリーが息絶えて水の中で漂うビジョンを感じます。二人は何か共鳴するけれど、サインの続きがあり、ジョージは、一旦、離れます。すると、ネットで霊能師としてのジョージを見たマーカスが偶然ジョージを見つけ、大きな声で霊能師だと叫びます。知られたくないジョージは、マリーへの気持ちを引きずりながらも、自分のホテルに戻ります。後を付けたマーカスは、寒い中、夜まで窓の下でジョージを待ちます。根負けした、ジョージが、マーカスに霊能師として、引き受けてあげます。
兄は、陽気に楽しくやっているようで(霊界で)マーカスはうれしく、本物の霊能師に喜びます。でも、兄が去ろうとすると、「行かないで、ひとりぼっちはいや」と、訴えます。兄が霊界に行ってしまう寸前に、これまでのジョージならなすがままに兄を行かせてしまっただろうけれど、初めて自分から力をコントロールして兄を引き留め、マーカスに、兄の強い言葉を伝えます。「双子は二人で一人なんだ、だから僕らはいつまでも君の中で一緒だよ」と。
ジョージは初めて、霊能師としての能力と、それ以外の+αで、人の支えになる言葉を伝える事が出来るのも霊能師の仕事だと気づけます。
マーカスをジョージが送った後、マーカスがジョージに電話でマリーの泊まっているホテルを教えます。
ジョージはマリー宛の伝言(手紙)をホテルに託します。
そして、マリーが現れるのをカフェで待つジョージ。ジョージには、これからの未来が一瞬、見えたような気がします。マリーに触れても、死後の世界が見えるだけで、マリーの見せたくない過去や亡くした身近な人のビジョンは見えて居ない自分を未来として感じます。(ジョージはマーカスとの出来事で力をコントロール出来るようになったのか、それとも、マリーは一度死に瀕していたからかわかりませんが)
ジョージは、にこやかにマリーに声をかけ、物語は終わります。

さて、この物語は何が言いたいのでしょうか?
1、願わずに得てしまった強大な能力(この場合霊能力)は時として、幸せを奪います。でも、誰かの助けになることが出来ると自覚することができて(マーカスに伝えた言葉や、マリーの著書に関して自分が協力できる)、やっと、その力と共に生きていけるようになる。って話
2、双子の離れがたいつながりのある兄弟を失った時、周囲や本人は、それをどう乗り越えて行くか?って話
3、報道の世界で生きてきた女性が、一度生死をさ迷うような津波に被災して、これまでの価値観が全く変わってしまうお話

これが、ミックスした話です。
霊能力って言うと、オカルトチックなんだけど、ジェームズの能力は何となくSFチックで、私的には違和感なく受け入れられました。

私の敬愛するケヴィン・ベーコンさんの若い頃の作品、ミスティックリバーも、イーストウッド氏の監督です。
本当に、すごいです。

誰が見ても、楽しめますが、(霊能師設定や臨死体験についてがアレルギーでなければ)まだ、未知の、この分野を私は解明の余地があると思うけど、全くもって死の後は無だと言い切る人には無理かな?
後は、人が一度完全に心肺停止したとき、その後戻って、直ぐに応答したり動けるのを本物で見たことがある人は大丈夫でしょうが、そうでないと、多少、違和感有るかもしれません。人は本当に、生体機能が数分停止してから戻って来ることが有ります。その間は、なんなんでしょうね。死でもない、生きてもいない。

完全に止まってはいなくても、それに近い経験をしたものとしては興味有ります。でも、私は真っ暗なだけだったし、(意識ないだけ)戻ってきても、昏睡状態でその間の事を直ぐにフィードバックできなかったから、何も覚えてません。
私には何もなかったあの瞬間を、別の世界にいけた人もいるんですかね。解明されるといいですね。