天門の試練  23 | シンイ二次小説でんべのブログ

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道中なんどか休憩と宿に泊まり
鉄原に到着したのが三日後の事
だった。


「やっとだな」


「はい、叔母様、ご苦労様でした。
それと宿代やご飯代もありがとう
ございます」


「良いのだ。使うあてのない禄ゆえ
お前たちに使え、私は満足して
おるのだ。気にするでない」


「叔母上、ありがたい。
帰りは俺が持つ故、ゆるりと
いたそう」


「構わぬ。使わせてくれぬか?
叔母ではあるがお前たちの親とも
思うておるゆえ、兄が義姉が
出来なかった事をしておるのだ。
ましてやウンスもおるゆえ
ウンスの二親の思いも
私が伝えていかねばならぬと
思うておるしの。さぁ参ろう
兄上と義姉上の元へ」


三人は住職に案内され
二人が眠るこぶ土饅頭へと
脚を運ぶ。
チェ家の長である叔母から
お供えをし、クンヂョルをしている
『兄上、義姉上?貴方方の息子が
・・・ヨンが嫁を貰いましたぞ。
これで私の肩の荷もおりたというもの
これからは二人をどうかどうか
見守り下され。
ヨンの眼は光を宿し輝いておるのです
あのヨンがです…喜ばしいでは
ありませぬか?・・・それもこれも
すべて嫁御であるウンスのおかげ
なのです。ウンスは天人ゆえ
ウンスの二親の分までお力添えを
賜りますようお願い申し上げます」

叔母は長く頭を垂れている。
それが済むとヨンとウンスも
頭を垂れ婚儀が無事に済んだ事を
報告していた。


「済んだか?」


「はい、叔母様
改めて報告させて頂きました。
義父様も義母様も息子を
宜しくと仰せでした。
とかは冗談ですが、私が全力で
ヨンと叔母様を守りますから
安心して下さいとお伝えしたんです
うふふっ」


「ん?ウンスが我々をか?」


「はい」


ウンスはヨンの問いに胸を張り
応えるが、ヨンと叔母は苦笑いを
浮かべながら土饅頭を後にする。


「えぇ~~ひどい~~!
何で笑うの?怪我をしたら
治療するのはだあれ?
一流の医員である私しか
いないでしょう?
誰が縫合できるの?誰が手術を
するの?もぅ~そんな態度するなら
助けてあげないんだからね!」


「おぉ~、その考えはなかったの
ヨン?ウンスが言うような事は
万が一にもないとは思うが
お互い気をつけねばならぬな
ウンスの手を煩わせぬよう日々
鍛錬をおこたうことなく過ごす
ようにしようぞ」


「あぁ、そうしよう叔母上」

笑い声が漏れるのではと思う程
珍しくヨンも叔母も口角が
上がっていた。
笑顔は人の心を穏やかにする
作用があるのか二人を見比べ
ウンスの心も穏やかになる。


「叔母様?マンボ姉さんは
探してくれてますかね?」


「抜かりはないと思うぞ。
これからは二人とも子作りに
励んで貰わねばならぬゆえ
屋敷の事は使用人に任すがよい」


「叔母上!口がすぎると
言うもの、赤子は天からの授かり物
故、誰にも分からぬ。
ウンスを追い込むのは止めて
貰いたい!」


ウンスに目をやれば
ヨンの背に隠れ、真っ赤な顔を
していた。
これから長い月日をともに暮らせば
いずれは赤子も授かるかもと思う
ウンスであった。



・・・・・

一方こちらの二人は


ヨンは政府高官を警護する
SPの仕事についていた。
ウンスの進めでもあり
ヨンの能力を活かせる仕事と
なった時、マネージャーで
生涯を過ごすのは口惜しく
その能力を国の為に活かせないか
その能力を人々の為に活かせないか
そう考えた時、ポリス?武道家?
等と考えたが導き出した結論が
要人のそばで要人の盾となり
己を鼓舞する仕事がSPの仕事と
なったのだ。


ヨンはウンスのそばを離れるのは
抵抗があったが、高麗時代とは
違い、危うくなる場面は
そうそうないとウンスに説き伏せ
られ、ウンスの両親にも賛同され
今は大統領の盾となっていた。

大統領のSPは外遊も当たり前のように
あり、家を空ける日も増える。


「ヨンは今日はどこに行ってるのかな
?、ちゃんと食べて寝てるかしら?」

美容整形を開業しウンスは腕にも
磨きを掛け、日々努力を惜しまない
今日も今日とて満員御礼状態を
何とかこなし、今日の予約も終わり
22時回る時間帯ではあるが
たまには外食して帰ろうかと
帰り支度に精をだしていた。


「何を食べようかな?
でも一人だし、お店に入るには
抵抗あるかも。あれ?あの人
よくいらっしゃる患者さんじゃ
ないかしら?名前は・・・確か
ウォル?そうそうイ・ウォルさん」


「あら、先生じゃあないですか?
どうしたんです?」


「今終わって、主人も出先だし
外食して帰ろうかなって思ってね」


「私もなんですよ。
一人身だし、仕事が終われば
毎日外食なんですよ。
一人じゃあ自炊する気にもなら
なくて。先生!良かったら
ご一緒しても宜しいかしら」


こうしてウンスはウォルと共に
開業した明洞(ミョンドン)の
街を楽しげに歩いていた。
こんな時間帯でも行き交う人々は
絶える事なく、活気に溢れた街
であり、さすがソウルだとウンスは
思う。
そして絶品クッパが売りの店舗が
目にとまる。


「先生?クッパにしませんか?
ここは大統領を始め
有名人がたくさん来ていらっしゃる
らしいですよ。ネットの受け売り
なんですが、ふふふっ。
もしかしたら有名人に会える
かも知れないですし、どうです?」


「あら、いいのかしら。
主人にばれたら拗ねるかも、うふふ」


「とりあえずはいりません?
どうせVIPは個室なんだろうし
お目にかかるのは奇跡かも
知れないですけど」


そう話、二人は店内に脚を
踏み入れる。
二人掛けのテーブルに案内され
メニーを覗き込むと旨辛クッパ
にウンスは釘づけである。


「主人は辛いものが慣れて
いなくって、食卓にのぼる事が
ないから食べたかったのよ。
私はこれにしてちょうだい」


「そうなんですね。じゃあ
私も同じものを下さい」


少し待つと辛さ三倍のクッパが
運ばれてきた。


「わぁ~美味しそう。
頂きましょう」


「は~い。頂きます。
所で先生のご主人様は近頃
お目にかかる事がなくなりましたね?
お身体が宜しくないとか?」


「いえ、別の仕事についてますよ。
でも忙しいようであまり帰らないから
ついつい外食ばかりになってしまって
完全に手抜きですよ、モグモグ。
あ~美味しいですね、旨辛クッパ
野菜もいっぱい入って最高~~!」


「美味しい。やはり名店ですね。
先生?お酒いきませんか?
明日も仕事ですし、少しだけ」


「・・・う~ん、コップ一杯だけなら
お付き合いしますよ」


日付が回る頃には酔いが回り
ウンスはうとうとし始めていた。


「先生!!ユ先生!帰りますよ。
困ったわ。
すみませんがどなたか手を貸して
下さる方いらっしゃいませんか?」


肩を揺すりながらウォルは
店の店員に声を掛けていた。

・・・・・

皆様こんにちは。

更新があいてしまいごめんなさい。

季節外れの風邪を引いてしまい
寝込んでおりました。
ゴールデンウィークも寝ていました
が、今は熱も下がりもう大丈夫かと
思っています。
健康体が売りのでんべでしたが
年ですかね。


あらら、天界のウンスは酔い潰れた
模様です。このウォルは悪人?
善人?大丈夫かしら。


お話に出演して頂くボッコ様
(ran-monpuchi201)
ユリ様(yocchan9332)
ご応募ありがとうございます。

次回より登場して頂きたいと
思います。宜しくお願いします。