天門の試練  12 | シンイ二次小説でんべのブログ

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徳興君はヨンの恫喝に
再び向きう。

「王を出さぬか?
叔父が参ったと伝えよ」

「あいにく執務で御忙しく
籠っておいでになられて
おります故、某に一任されて
おる。王命に従い
徳興君殿はその命はここで
尽きる故お覚悟召されよ」

「我を葬ると?戯け者が
我は何度も言うが元との繋がり
深く、我が王となるか
元に戻らねば、戦となり都中
死人が転がり火の海となる事
間違いないのだ。
国を背負う大護軍たる者
それでも良いと申すのだな」

「戦となれば受けて立つまで
某が元など蹴散らしてご覧に
いれます。もう時がございませぬ
さらば徳興君殿・・・」

そう低い声で呟くと
ヨンは手に持つ鬼剣を
心の臓目掛けてひとつきする。

成す術なく徳興君は膝から
崩れ落ちていった。
口からは血を吐き眼をガンと見開き
見るも無残な最期を遂げる。

「王の恨み、某の恨み、我がウンスの
苦しみすべて持って逝くが良い。
ウダルチ!時がない
跡形も残してはならぬ。
急ぎ始末せよ。俺は
王様を出迎える故、頼んだぞ」

「大護軍、お任せを。
急げ!王様の目に触れさせては
ならぬぞ!」

チュンソクがそう叫ぶと
ウダルチは戸板をすぐに用意すると
仏と化した徳興君を乗せ
裏山へ葬るべく運ぶ。

血のりあとは綺麗に洗い流され
何事もなかった用に
王宮大門前は静けさを
取り戻していた。


「王様、すべて終わりまして
ございますれば、これよりは
王宮内でお過ごし頂けます故
あちらこちらと御足労お掛けし
誠に忝なく思う所でございます」

「よいのじゃ、今は亡き母上で
あらせられる明徳王后の思い出に
したる事が出来たゆえ
たまには良いものぞ。
して、大護軍?例の策はあやつに
通用したのかのぅ?」

「・・・あやつが
某の前へ自ら参り向き合う形と
なった故、思わず持っていた剣で
心の臓をひとつき致しまして
ございます」

「大護軍が思わずとは余程
積もる憎しみがあったのだろうの」

「はっ!王妃様を苦しめ
我がウンスを苦しめた罪は
某には許す事は出来ませぬ故
我が心に忠実に従いまして
ございます」

「それで良い。
なれども見たかったのぅ
あやつが仮の上護軍となり
戦に赴く姿を・・・すぐにでも
逃げ帰るか敵にばったばったと
斬られていたやも知れぬのぅ」

そう、ヨンの策は徳興君を
上護軍と崇め立て
戦場に連れ出し、今の現状を
その目に焼き付かせあわよくば
その心根を改心させると言う
策ではあったが、己の心根に
忠実に従うとひとおもいと
結論が出てしまったのである。
幸いにも親元派を一掃した事により
それを責める重臣らも皆無であり
王様も満面の笑みを浮かべ
それを受け入れて頂き
ヨンもまた口角を上げていた。


「そう・・・ヨンがね・・・
珍しい事もあるのね。
でもご苦労様でした、私の目に
触れる事なくって思って
くれたんでしょう?」

「大人しくしておれば良いものを」

「だって気が気じゃなかったのよ
毒を使うし、万が一って思うと
走り出していたの、そしたら
王様も行くって言うし
皆で戻ろうって事になったのよ。
トクマン君は懸命に止めていたけど
王命には逆らえなかったの
だから、叱らないであげてね」

ウンスには敵わぬとばかりに
ヨンは典医寺にて苦笑いを浮かべ
ながらも、警護に立つトクマンの尻を
蹴る事も忘れる事はなかった。
春の嵐が吹き荒れる夕刻には
二人並んで家路へ向かうのであった。


皆様こんばんは

まさか上護軍にとは
誰も思っていませんでしたよね?
でもヨンが殺りました!
ひとつきとは呆気ない最期でした。

話は変わりますが
でんべは2016年から二次小説を
書き出したんですね。
今年は2024年ですから7月で
丸8年になるんです。
自分でも驚いております。

めぐり逢い永久にから始まり
木春菊と色々描いてきました。
長いようで短い月日ですね。

私の師匠であるてんてんmamaさんの
突然の訃報もあり、落ち込みましたが
あの方の分までと頑張っております。
2016年7月7日未明との事でしたから
来年で7回忌となるんですね。
早いものです。
せめて7回忌までは頑張りたいと
思っています。

皆様のいいねやコメントに
後押しされ婆さんはもう少し
頑張ります!皆様には更新ないなかも
足を?指を?運んで下さり
感謝でいっぱいです。
本当にありがとうございます。

でんべ。